ハマナス／100円ならともかく

上野駅にて、もうすぐ電車が出てしまう！っと、急いで10番線へ。
階段にさしかかったところで、私の体型といい勝負のガチデブ君が声をかけてきた。
「モゴモゴモゴ（小声）」
「はっ？ ちょっと、聞こえないんだけど、何か？（イライラ）」
「切符落としてしまったので、900円ください」
「お金ないの？ ちなみに、切符落としたら乗った全線分の料金の支払いだから、
合計5000円程かかるんじゃないの。駅員に聞いてみな。じゃあ！」
うつむく彼を尻目に、私はそのまま駈けて電車の中へ。
座席で落ち着くと、次第に後悔が襲ってくるのでした。
毒いわずにもっと、親身に接するべきだったのかも。
とにかく、あの妙な彼はちゃんと駅を出ることができたのでしょうか？

ちなみに「ハマナス」の花言葉は「薫り豊か」「照り映える容色」
そして「美しい悲しみ」です。