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ポテチの水彩絵の世界にようこそ! 気分でコメントや画像とか、恐いのや面白い毒ある話とか、 現実の花の色と違ったりとか、妙な感じです。
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http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1376224795

昨年の今頃の暑い夏に私と友人の2家族で、
とある湖の近くでキャンプをしました。
その日の昼過ぎにキャンプ場に到着。
チェックインし、テントの設営などを終えて一息ついた頃、
夕食までの時間は、私たち大人は休憩タイム、
子供たちは周辺で遊んでいました。

そろそろ、私と友人は夕食の支度を〜と思い、子供たちを呼んだところ、
小1年生の私の娘だけ見当たりません。
他の子供たちに聞いても、さっきまで一緒に遊んでいたというのみで、
わからないという。
ちなみに割とマイナーなキャンプ場だったからか、
当時、キャンプ客は、私たちのグループともう2組のグループのみでした。
見通しもよい場所なのですぐに見つかると思ったのですが、
なかなか見つかりません。
手分けをしてこの辺りの全てを探し尽くし、
他に隠れるような場所はないはずなのに、
見つからないのです。
キャンプ場の管理人さんも、
「こんなことは始まって以来だ、考えられない!」
と首をひねるばかりです。

日も暗くなり、もしや、湖の底に……と、不安になり、
然るべき機関に協力を要請しようと話し合っていた時、
ひょっこりと娘が現れたのです。
一体、何処にいたのか問い詰めると、"さっちゃん" と遊んでたと言うのです。

"さっちゃん" というのは、いつの頃からか、
名前を口にしている娘の空想の友だちです。
最初は、人形にそう名付けて遊んでいるのかと思ってたのですが、
娘曰く、さっちゃんと人形で遊んでいたと。
その後も思い出した様に名前が出てくる程度で、
このくらいの歳だと空想遊びするし、
実害がなければいいかと思い、私は放置していたのでした。

"さっちゃん" のことは気になりましたが、
まずは御迷惑をおかけした方々にお詫びと御礼をし、
無事に戻ってきた娘も
みんなに心配させてしまったことを反省している様なので、
キャンプを続行しました。

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1376224822

それからの娘は、普段通りで、
聞けば "さっちゃん" の話はするものの、
現実の友だちとの遊びが忙しいためか、
自ら進んで話をすることはなくなりました。
こうやって、空想より現実の世界の比重が高くなるのかと、
母としてホッと一安心していたある日のことです。

私が洗濯物を畳んでいると、息子が私の横にちょこんと座って、
「ねぇ、ママ。お姉ちゃんが知らないおじさんと部屋で遊んでいるよ」
と言ったのです。
え? 家の中に不審者が?? と、私は恐る恐る2階の子供部屋に行くと、
娘はひとりでお人形遊びをしているだけで、誰もいません。
娘に「ねぇ、この部屋に誰かいた?」と尋ねると、
「あー、ママ、それって "さっちゃん" のこと?
遊んでっていうから、さっきまで一緒に遊んであげてたよ〜」
「ねぇ、もしかしてその "さっちゃん" っておじさんなの?」
「そうだよ」
私はてっきり娘と同じくらいの女の子だと思っていたら、
なんと、中年の男性だったのです。
しかも、娘だけでなく、息子にも見えた??
もしかして今までのは空想ではなくて、誰かが家に忍び込んでいたのか?
何年も前から?
私はパニックになりつつも、とにかく、
子供たちに、そのおじさんとは絶対に遊ばない様に言い聞かせました。

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1376224851

その日の夜、夫にその話をしたところ、
そういえば、子供にしか見えないおっさんの話があったよな〜
と言い始めました。
確かに、昔、私も幼い頃に学校の噂などでそんな話があった気がしますけど。
確か、口裂け女とか花子さんなどと同じ様な都市伝説で、
細かいことは忘れましたが、子供にしか見えないおじさんがいて、
彼に着いていったら、こちらに帰ってなくなるとかそんな話です。
その話と今回のこととの関連もわからず、当然解決法も思いつきません。
結局、どうすることもできず、
不安と気持ち悪さを感じながら毎日を過ごしていました。


そして、それからしばらくたった頃の話です。
私は夜中に目が覚め、水を飲みにキッチンに向かいました。
ちなみに我が家はリビングに併設している和室に
布団を敷いて家族並んで寝ていて、
リビングには子供用の
ジャングルジムと滑り台が一体化した遊具を置いています。
ふと目をやると、真っ暗な中でその滑り台を娘が滑って遊んでいました。
私はあまりにもびっくりしたものの、
何故か声をかけずに、ぼっとその光景を眺めていました。



よくみると、娘の隣に青白い人影がみえます。
暗くて良く分からないのですが、大柄な大人の様。
夫は隣で寝ていましたから、
ああ、これが "さっちゃん" なんだと確信して、
思わず娘に、「こっちに来なさい」と叫んでしまいました。
急に声をかけられ、びっくりした娘が私のところに来ようとしましたが、
その人影は、娘の手を掴むと暗闇の方に引っ張り始めました。
私は慌てて娘を抱きかかえ、その人影の手を振り解きました。
しかし、振り解いても、振り解いても、掴まれるのです。
よく見ると、青白い腕は1本だけではなく、5、6本ある様でした。
人間驚きすぎると、声が出せない様で、
無言でそのモノの手と格闘しました。

後で考えると、
すぐそばに夫がいたので助けを呼べたはずなのですが、
全く念頭にありませんでした。
……なんという嫌悪感。
娘はこんな邪悪なモノと一緒に過ごしていたのか。
私は姿勢を整えるべく顔をあげようとするも、
そのモノが迫って来ていて、これの核なるところを直視てしまったら、
最期の様な気がして顔をあげることができませんでした。
結局、"さっちゃん" の顔をみることはできなかったものの、
渾身の力を振り絞ったことで、ようやく、その手を振り解き、
私たちは布団のある和室の方へ戻りました。
幸い、その人影は追いかけて来ず、暗闇に留まっていました。
1時間、ひょっとしたら10分くらいだったかもしれません。
気絶する様に眠ってしまった娘を傍らに私はそれをみつめ続けました。
そしてふっと、気配がなくなり、人影は消えてしまいました。
我に返った私は、やっと夫の存在を思い出し、叩き起しました。

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1376224888

夫は口には出しませんが、
私たち2人が寝ぼけていたと思っている様です。
私自身、ひょっとしたら夢だったのかもと思うこともあります。
ただ、娘も私も同時に寝ぼけることがあるでしょうか?
あの腕のジリジリとした感触は、夢ではないはずです。

あれから、"さっちゃん" は娘の前には現れていないそうです。
なんとなく、もう、娘の前には現れないと、私は確信しています。

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プロフィール
HN:
ポテチ/ラダ
年齢:
50
性別:
男性
誕生日:
1974/04/11
職業:
会社員
趣味:
単館系映画鑑賞、音楽や絵画鑑賞、そして絵を描くことと...
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