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ポテチの水彩絵の世界にようこそ! 気分でコメントや画像とか、恐いのや面白い毒ある話とか、 現実の花の色と違ったりとか、妙な感じです。
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20年前くらいの前の、俺が当時小学4年生だったころの話。
当時、俺は日本海側の港町みたいなところに住んでいた。
父は大工をしていて、朝早く出てって夕方くらいに帰ってくるのが日常。
母は父や俺や兄弟を送り出した後、近くの総菜屋でコロッケを揚げていた。

1月半ばの寒い日のこと、
その日はたまたま俺と小学1年と幼稚園の年中組の弟2人と
一緒に3人で歩いていた。
夕方から夜に変わるくらいの時間で、
少し友だちと遊びすぎて門限を過ぎてしまっていた俺たちは急いで帰ってた。
すると、港の倉庫近くで知らないガッシリとした男3人に囲まれた。
日本語を喋ってなくて、暫く俺たちを囲んだまま何か話していた。
怖かったけど、俺は兄貴だし、弟たちは怯えてるし、で
弟たちを庇いつつ様子を見ていた。
そしたら話し合いが終わった男たちが
いきなり俺たちに襲いかかってきた。



2人の男がそれぞれ持っていた麻袋みたいなのを2人の弟に被せてきて、
俺が「やめろ!」と叫んでその1人を蹴ると、
もう1人に取り押さえられて肩に無理やり担がれて、男たちは走り出した。
それぞれ1人ずつ男に担がれた俺たちはパニック状態。
麻袋の中の弟たちは中で暴れて、くぐもった叫び声が聞こえる。
俺も弟も「助けてー!」とか「誰かー!」とか叫んだんだけど、
夕方の港は仕事がはけてしまって人がいないから、誰も気づかない。
このまま殺されるんだと、絶望して諦めかけていた時、
「何しとるんだっ!! てめえええらああああーー!!」
と怒鳴り声が聞こえて、その方を降り向いたら父だった。
父と同じく屈強な大工の仲間を5人くらい連れて、
みんなが角材を持ってこっちに突撃してきた。
俺たちを投げ捨てて男たちは必死に走ってたけど、
あえなく追いつかれ、大工の仲間たちに角材で殴られてた。
父が「もう大丈夫だかんな」と言って俺たちを抱きしめると
安心と恐怖とで、張りつめたものが一気になくなると
俺と弟たちは大泣きした。
「仲間の大事な子供たちに何してくれてんだぁ! ああ!?」
と大工仲間が怒鳴りながら男たちを蹴ってた。

父と大工たちがたまたま近くで工事してて、
その中の1人が子供の泣き声が聞こえると言ったので、
様子を見にきてくれたらしい。
男たちは隙をみて逃げたので、彼らのその後はどうなったかは分からない。
ただ、子供だけで下校はしないようにと学校から処置をとられ、
それから俺たちは教師たちと一緒に集団下校することとなり、
暫くその地域は夜間の外出は控えるようになった。



「兄さん、あれってやっぱりニュースで賑わしている
 "北朝鮮の拉致" だったんだろうね。
 父さんたちがいなかったら今頃僕たち、
 あそこで日本語教師だったのかもね」
「そう思うと、俺たち本当にラッキーだったよな」
「みんなあんな感じで乱暴に拉致されたんだと思うと、
 助かった自分としては、なんだか居たたまれないよ。
 はやくこっちに帰れるといいね」
「ああ、そうだね……」



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プロフィール
HN:
ポテチ/ラダ
年齢:
50
性別:
男性
誕生日:
1974/04/11
職業:
会社員
趣味:
単館系映画鑑賞、音楽や絵画鑑賞、そして絵を描くことと...
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