ポテチの水彩絵の世界にようこそ!
気分でコメントや画像とか、恐いのや面白い毒ある話とか、
現実の花の色と違ったりとか、妙な感じです。
このサーカスの目玉はサバンナから連れてこられた立派な雄ライオン。
その野性味あふれる雄姿を一目見ようと、
お客さんは毎日たくさん押し寄せました。
そんなサーカス小屋に一匹の子犬が迷い込みました。
捨てられたのでしょうか。そのまま住み着いてしまう子犬。
商売熱心な団長は、子犬にもライオンの横で芸を仕込みました。
ライオンの引き立て役にもってこいというわけです。
団長のもくろみは大当たり。
泰然とした雄ライオンの横で、
必死に玉乗りに励む子犬の情けない姿にお客さんは大笑い。
「隣のライオンに比べて、なんて不釣り合いなんでしょう! 惨めなものね」
「あれは芸をして命乞いをしてるんだろ?
あるいは媚を売ろうとしているかだね」
「ライオンは歯牙にもかけないだろうに」
演目のメインはライオンと子犬の鬼ごっこ。
もちろん、鬼はライオンです。
哀れな子犬は逃げ回るも、ついには捕まってライオンの餌に
という筋書きです。
実にステキな思いつき!と団長は張り切ってお客さんに説明します。
お客さんも「おお、かわいそう〜」と言いつつも、
血が沸き肉踊る心持ち様。
雪の積もる野外特設ステージの寒さも、この会場の熱気に霞んでいます。
たくさんの血走った目が見守る中、
子犬を追いたてるため、ライオンを鼓舞する大きな銃の音が鳴り響きます。
ところがどうしたことでしょう。
銃声に驚いた子犬が逃げ込んだのはライオンの懐の中。
ライオンはそんな子犬を安心させるかのように、優しく抱きこみます。
子犬が落ち着くと、2匹は連れ立ってステージの奥へ帰っていきました。
その寄り添う姿はまさに親子の様でした。
思わぬ展開にしばし唖然とするたくさんのお客さん。
しだいに、ため息や落胆の声が漏れ始めます。
それは期待していたスリルを味わえなかったことを
嘆くものではありません。
お客さんたちはそれまでの自分たちの姿を恥じ入ったのです。
雪の上に残された2匹の足跡に静かに拍手が送られました。
その拍手を聞きながら、
団長はただただ、俯くばかりなのでした。
ある地方の動物園に母親を亡くしたばかりのライオンと
子どもを亡くしたばかりの母犬がいました。
いつしか母犬は幼いライオンにいろいろなことを教えたり、
子守唄を歌ってやったりして、我が子のように育てるのでした。
やがて大きく立派になったライオンは、
生まれ育った動物園から都会の動物園に移されることとなり、
母犬と離れ離れになってしまいました。
それから数年が過ぎ、
ライオンはあるサーカスの人気者になっていました。
今でも、夜になると思い出すのは、
母犬ののやさしい子守唄。
冬の寒い夜、檻の中で寝ていたライオンに
遠くから子守唄が聞こえてきました。
それは、かつて母犬が歌ってくれたあの子守唄。
それを聞いたライオンは何かを感じ、
ものすごい強い力でもって檻を破って夜の町に飛び出すのでした。
ライオンが町中を走り回ったので、人間達は大騒ぎ。
鉄砲を持った警官隊が出動する事態となってしまいました。
やがて、ライオンは雪の林の中、老いて痩せ衰えた母犬を見つけました。
すぐさま母犬に寄り添うライオン。
その時、警官隊の鉄砲によって撃たれてしまいました。
動けなくなったライオンは母犬をしっかりと胸に抱きながら
眠りにつきました。
一面の雪景色に寄り添う大きな足跡と小さな足跡。
その2つの足跡は途中で消えています。
その日、ライオンが背に犬を乗せて夜空を飛んでいるのを
見た人がいたという。
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プロフィール
HN:
ポテチ/ラダ
年齢:
50
性別:
男性
誕生日:
1974/04/11
職業:
会社員
趣味:
単館系映画鑑賞、音楽や絵画鑑賞、そして絵を描くことと...
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