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ポテチの水彩絵の世界にようこそ! 気分でコメントや画像とか、恐いのや面白い毒ある話とか、 現実の花の色と違ったりとか、妙な感じです。
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http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1283853663

ある日、やっと自分の家を手に入れる夢が叶うことに。
しかし、喜びのつかの間、その話をもってきたのは悪徳不動産業者で、
彼はその資金と引き換えに何もない空き地を買わされてしまうのだった。
彼はそのことを話そうとするも、
夢が叶ったと喜んでいる家族の姿を見て、
どうしても本当のことを言えなかった。

そうこうするうちに話はどんどん進んでいき、
実際には引っ越しできないのに、
周りから新築祝いとか、荷物を運ぶ段取りがセッティングされてしまい、
男はますます本当のことが言えなくなってしまう。
その度ごとに親友は何かと相談に乗ってやり、
「本当のことを言うんだぞ」といいつつ、
半分あきれつつ、一時しのぎのための方便を世話してやるのだった。
大きな荷物だけは前もって送ったのだが、
もちろん家はないので、野っ原にタンスなどが置き去りになっている現状。
ついに最終的な転居の日が来た。
今の家からも立ち退かなくてはならない。
夜になって男とその家族は小さなリヤカーに残りの荷物を載せ、
"転居先" へととぼとぼ歩いていく。

その途中、男は親友の家に立ち寄り、
「何とかならないか? 明日こそホントのことを言うから」と頼み込むが、
さすがに堪忍袋の緒も切れた親友は冷淡に「勝手にしろ」と言い放った。

頼みの友人からも見放された男は、家族とともに夜の闇の中、
"転居先" に向かう。
「ねえ、もうちょっとで新しいおうちに着くんだよねえ」
と我が子に聞かれ、男は
「そうだよ、そこの角を曲がったところだ。
 いや間違ったかな。
 そうだ、もう1つ向こうの角、あの角の向こう.....」

「あの角の向こう」より

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1283853706

暗い取り調べ室に座る、作業着姿の男。
男の妻と子が車ごと崖から転落死した。
別の場所で男の母親が川で水死体で発見された。
足の不自由な母親は、水辺まで引き摺られた様な形跡があった。
男の容疑は殺人。
事件の真相をこの男が自供する独白形式で話は進む。

仕事一筋じゃないけど、人が良くていかにも騙されやすい男。
案の定騙されて、莫大な借金を抱える事となる。
働いても働いてもかさむ借金。
家も売ったのか、取られたのか、狭くて汚いアパートに移る男の一家。
それでも一生働いても到底返し切れない。
家族会議で出た結論は、一家心中だった。

しかしその時点で、皆は吹っ切れた様に明るくなった。
とにかく頑張ろうよってな感じで、家族の気持ちが1つになった、と
そんな気が男にはした。
それから今までと違って、一生懸命働く様になった。
家に帰れば、労をねぎらう家族達。
笑い声まで起こる一家団欒。
男はむしろ、今の方が幸福にさえ思っていた。
しかし。

ある日仕事を終えて、家に帰ってきた男。
家には母親しかいない。
「あれ?皆(妻と子)は?」
「何言ってるんだい、今日だろ?」
「?」
 「もう行っちゃったよ.... あたしも早く連れて行っておくれよ」
決行日は今日だった。

男はその時思い知った。
皆、その日までせめて明るく生きようとしてただけだった。
自分1人がいつの間にか、このまま何とか
逆境を乗り越えられる様な気にスライドしてしまっていただけなんだと。
呆然自失の男は母親に促されるままに、川辺までおんぶして行く。
でも、それでも母親を川へ放り込むなんて、男には出来なかった。
「....分かった、あたしが自分で行くよ」
母親は自ら、男の背中から降り、四つんばいで足を引き摺りながら、
ずる、ずる、と進んでいく。
男は母親を見ていられなかったが、止めることも出来なかった。
そして残った自分は最後まで死ぬことが出来なかった。

「水色の迷宮」より

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1320489589

堕ちていく、でも秀作であるこの作品は昔の日本のドラマの物語。
それに引き換え、最近のドラマの内容はほんど、退屈。
この上ないの一言に尽きる。



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プロフィール
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ポテチ/ラダ
年齢:
50
性別:
男性
誕生日:
1974/04/11
職業:
会社員
趣味:
単館系映画鑑賞、音楽や絵画鑑賞、そして絵を描くことと...
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