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ポテチの水彩絵の世界にようこそ! 気分でコメントや画像とか、恐いのや面白い毒ある話とか、 現実の花の色と違ったりとか、妙な感じです。
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http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1360238207

俺が税務署の職員だった頃の話である。
とある夏の日、田園調布のある家へ査察に入った。
すると、玄関で奥さんが数珠をじゃらじゃらさせつつ、
「悪霊退散、悪霊退散、悪霊退散」とひたすら呟いていた。

この家がある神道系カルト新興宗教に帰依しているのは調査で知っていたが、
さすがに面食らったし、不愉快だった。
税務署員には珍しく短気な同僚Aは、
「ずいぶんと奥さんは不機嫌ですね。」などと皮肉を言うと、
「家内が言うには、どうも本日来る客人が災いを運ぶとの夢を見たらしくてね」
と、家の主人は鼻で笑ってあしらった。

家には宗教関係の禍々しいデザインの神棚があるだけで、
他は普通のセレブの家である。
調査を開始するも、脱税の証拠がどこを探しても見つからない。
家の主人は余裕しゃくしゃくで、正直頭に来る。 
そう思った矢先、Aがあっと声を上げた。
そして、調査してないところが1つだけあるといった。
「神棚だ!」
Aが神棚に手をかけようとした途端、
ひたすら「悪霊退散」を叫んでいた奥さんの顔が青ざめ、
「地獄へ落ちる〜地獄へ落ちる〜〜」と騒ぎ始めた。
主人も打って変わって怒り出し、
「やめろやめろ! お前たち、呪われるぞ! 死にたいのか〜!!」
と叫び出す。
俺たちは、この慌て様をみてビンゴだと興奮した。

Aが神棚を探ると、中から小さな青い箱が見つかった。
証拠があったと色めき立つ中、怒鳴る奥さんと主人を余所目に箱を開けた。

すると「うおっ! なんだ、これ!」Aが叫んだ。
なんと、箱の中に女の髪の毛と爪、
それから動物の干からびた目玉らしき物が大量に入っていたのだ。
余りのことに凍り付く俺たち調査員一同。

静まり返った中、奥さんが目を恐ろしく釣り上げ、憤怒の形相で呟いた。
「だからいったのだ。お前たち、もう命はないかもしれないぞ!」
Aは震へながら箱を閉めて、上棚へ戻した。

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1360238281

俺は上司に調査が失敗だったことを電話で連絡すると、
怒鳴り声が返ってきた。
「馬鹿野郎、だからお前は詰めが甘いんだよ。
そこで待ってろ。今から俺が行く」

しばらくして上司が来た。
上司は神棚にドスドスと直行して箱を平然と開け、
中に手を突っ込み探りだした。
うっわー、よく手が突っ込めるなあ、と驚いていたら、
上司がニヤリと笑った。
「お前たち、見てみろよ。箱は二重底だ」
その二重底の箱から脱税の証拠である裏帳簿が見つかった。
同時に、主人と奥さんの顔が見る見る真っ青になることに。

調査後、上司曰く、
「真に怖いのは霊や呪いじゃない。人間の欲望と悪意だよ。
人間は金のためなら嘘もつくし演技だって平然とする。
今回の調査にしてもそう。
神棚に隠す狡さ、“呪い” に対する人間の恐怖を利用した巧妙な手口、
真に怖いのは人間の欲望と悪意....そうだろ?」

それから、箱を触ったAは自殺し、上司が交通事故で死亡した。


http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1360238329

この話を友人にしたら、一瞬固まった後、失笑された....
しかし、当事者の俺としてはけっこう気持ち悪い。
これは今年2月で3歳になった娘の話である。

子供にはよくあることと聞くが、想像上の友だちがいるという。
俺の娘の話でよくでてくるのは、
「パンダさん」と「たぬきさん」と「うさぎさん」。
「パンダさんはまだ赤ちゃんなの」とか、
「おもちゃを散らかしたのはたぬきさんで、私じゃない」
とかなんとかいう中で、
「うさぎさん」だけが何か引っかかるものがあった。
よくよく考えてみると「うさぎさん」の場合、
他と比べて具体的な表現をするということに気がついたからだ。
「うさぎさんはおじさんだから、上手にお箸がつかえるのよ」
「うさぎさんは今、ベランダでお花みて泣いてる」など。

ある時、娘がひとりでピアノをおもちゃにして遊んでいた。
よくあることなので気にもしてなかったが、
気がつくとたどたどしいが、ちゃんとメロディーになっている。
ド...レ・ミ、ド・レ...ミ
これはチューリップの曲だ。
娘にピアノを習わせてるわけではないし、
俺も嫁も特に教えてはいないはずだ。
俺は不思議に思って聞いてみると、「うさぎさんが教えてくれた」とのこと。
さすがにちょっと不気味になってくわしく娘に聞いてみることに。

俺 「うさぎさんってどんな子ですか?」
娘 「えっとねぇ、耳が長いの」(それは想像がつく)
俺 「じゃあ、こんな子ですか?」
   (絵本のデフォルメされたうさぎの絵を見せる)
娘 「ちがうー」
俺 「じゃあ...これはどうでしょう?」(今度は本物のうさぎの写真)
娘 「ちがうよ!」

その後も色々聞いてみるが、まだ語彙も少なくてよくわからずじまい。
娘本人もうまく伝わらないためか、
イライラし始めたのでその日はやめにした。
ただ1つだけ判ったのは白じゃなく、黒うさぎだということ。

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1360238385

それから数日後、娘が興奮して走ってきた。
「これー!、これー!」と、ある雑誌を持って叫んでいる。
「どうした?!」と聞いてみると雑誌の写真を指差し、
「これだよ、パパ。うさぎさん!」
「えっ....これがあのうさぎさん?」
「そう」と娘は満足げ。

その写真は、にっこり微笑むバニーガールの女装をした親父だった。

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プロフィール
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ポテチ/ラダ
年齢:
50
性別:
男性
誕生日:
1974/04/11
職業:
会社員
趣味:
単館系映画鑑賞、音楽や絵画鑑賞、そして絵を描くことと...
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