ポテチの水彩絵の世界にようこそ!
気分でコメントや画像とか、恐いのや面白い毒ある話とか、
現実の花の色と違ったりとか、妙な感じです。
俺が大校生の時、剣道部の合宿で海の傍の民宿に泊まり込んだことがあった。
厳つい怖い顔をした親父が経営する民宿で、ボロボロで今にも倒れそうな木造だった。
夜、板張りの広い部屋にて、皆で雑魚寝していると、突然俺は揺り起こされた。
俺は寝ぼけ眼でぼんやりと起こした奴を眺めると、
彼が「トイレに行きたいけど、1人じゃ怖い」と俺に囁くように言った。
俺は練習疲れで眠くてしょうがなかったが、
「頼むよ、お願いだよ」としつこく頼むので、
「分かった分かった」と言って布団から抜け出し、
皆を起こさない様に、そいつと抜き足差し足で部屋を出た。
「トイレは何処にあるんだよ」と俺が聞くと、
「海の家の外にあるんだが、臭いし汚いし、何より明かりが無いから暗くて怖い」と
彼は情けない声を出した。
俺はやれやれと思いながら彼と長くて暗い廊下を抜け、海の家の玄関までやってきた。
玄関の戸に手を掛けようとした時、突然「何しよんかあぁ!!」と大声が響いた。
心臓から口が飛び出しそうになった俺が慌てて振り向くと、
民宿の親父が懐中電灯をこちらに向けながら、憤怒の形相をしていた。
「.....こんばんは。じ、自分たちはトイレに.....」と俺が言い繕うとすると、
親父が「出て行けぇ!!」と言いながら何かの粉を俺らにぶつけてきた。
「っしょっぱっ!」これは塩だ。
俺はわけも分からず「は、はい。すんませんでした!」と言いながら
出て行こうと戸に手を掛けると、「お前じゃない!!そいつだ!!」と親父は叫んだ。
俺が混乱しながら突っ立っていると、突然パチンと音がして辺りが明るくなった。
親父が電器を点けたのだった。
すると、隣にいたはずの友人がいなくなっていた。
代わりに、俺と彼が歩いて来た道筋に、濡れた足跡が点々とこちらまで続いていた。
「お前、危なかったな。沈められるとこだったぞ」と親父は言った。
「もう寝ろ」と言われ、全身鳥肌を立てながら部屋に戻ると、
俺以外の全員の部員が布団で寝ていた。
抜け出していたのは俺だけだった。
TONY DURAN : PHOTOGRAPHY: D.I.F
http://www.tonyduran.net/index2.php?v=v1
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プロフィール
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ポテチ/ラダ
年齢:
50
性別:
男性
誕生日:
1974/04/11
職業:
会社員
趣味:
単館系映画鑑賞、音楽や絵画鑑賞、そして絵を描くことと...
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