ポテチの水彩絵の世界にようこそ!
気分でコメントや画像とか、恐いのや面白い毒ある話とか、
現実の花の色と違ったりとか、妙な感じです。
私がまだ5歳の頃の話です。
当時家には風呂が無く、よく母親と銭湯に行っていました。
まだ小さかったので母と女湯に入っていました。
ある日のこと、身体を洗った後飽きてしまった私は、
湯船の中でプールよろしく遊んでいました。
今迄気付かなかったのですが、
湯船の横から階段状になりドアが付いているんですね。
(何処もそうなのかも知れません)
私はふとそのドアが気になって段々を昇りドアの前まで行きました。
ドアノブの直下に大きな鍵穴があるのです。
ワクワクして覗きました。
向こう側は何かに覆われて見えない。
なんだ、つまらない。
いったん顔をあげました。
そして何を思ったか、もう一度、鍵穴を覗き込んだのです。
ぼんやりとした明かりの中、ボイラーとおぼしき器械が見えました。
わぁ、すごい。
夢中になって覗いていました。
それからなんとなく、ドアの向こうの気配、
それとも何かが知らせてくれたのか、私は目を離し身を引いたのです。
そして次の瞬間、
鍵穴からはマイナスドライバーの先端が狂ったように乱舞していました。
私は息を呑み、そこを離れるも、
あまりの怖さに、母親にさえ話すことが出来ませんでした。
あれから子供の私は、あの出来事も速攻で忘れて日々を過ごしていました。
間もなく我が家は引っ越すことになり、家の大掃除した後、
あの銭湯に行きました。
私は大掃除で見つけた色々なガラクタを後生大事に持っていったのです。
私は例によって風呂の中で遊んでいるうち、あのドアの鍵穴のことを思い出しました。
しかしあの恐怖を忘れていた私は、
ガラクタを入れた洗面器を抱えて鍵穴を覗きに行ったのでした。
また向こう側は何かに覆われて何も見えない。
私はガラクタの中にあった箸を取り出し、おもむろに鍵穴に突っ込んだのでした。
その瞬間、ドアの向こうでのドタバタする気配。
それにたじろいだ私は、箸から手を離しました。
箸はブルブル震えながらそのままでしたが、やがてこちら側に落ちてきました。
先から数センチが折れていました。
私はまた母親に何も言いませんでした。
その日を最後に、我が家は隣の市へ引っ越して行ったのでした。
数年後、小学生の私は、かつて住んでいたあの町に遊びに行きました。
真っ先に子供の社交場でもあった神社の境内に赴きました。
そこに行けば昔の友人達に会えると思ったのです。
しかし予想に反して、そこには誰も居ません。
いや、境内の裏の大木の前で、一心不乱に何かをやっている大きな男が居ました。
瞬間、かつての記憶が蘇りました。
彼は我々から「ミッキー」と呼ばれ怖れられていた若い男でした。
透明に近いシルバーの髪、兎の様な赤い目、
今考えるとアルビノという病であったのかも知れません。
彼は病的に粗暴で、メンコやベーゴマに興じる我々の中に乱入しては、
物を取り上げたり、殴りつけたりを繰り返す素性が不明の人物でした。
その彼が目の前に居るのです。
私は金縛りに会ったようになり、話し掛けることも逃げることも出来ませんでした。
彼は動作を止めると、ゆっくりとこちらを向きました。
彼の片方の目は潰れていました。
私の職業は精神科医。
以前、ゾッとするようなケースに遭遇しました。
私の家の隣に、60代の夫婦と30歳ぐらいの息子さんの3人家族が引越して来ました。
この息子さんはいわゆる「引きこもり」らしく、
その姿を見かけることはあまりありませんでした。
その家族の口からは直接聞いたわけではありませんが、
世間体などを気にして越して来られたのでしょう。
彼は日が経つに連れ、外に出る回数も減り、いつしか全く部屋から出て来ない、
完全な「引きこもり」になってしまったようでした。
毎晩のように、彼の部屋から母親の怒鳴り声が聞こえてきます。
玄関先でこの母親に顔合わせたりすると、
笑顔で挨拶してくれるのですが、明らかにやつれておりました。
彼を完全に見かけなくなってから、半年くらい経ったある日、
この父親が「明日、我が家に来て欲しい」と、私にお願いしてきました。
個人宅に訪問して診察することは今までなかったのですが、
ご近所の付き合いもありますので、了承しました。
そして次の日、その家を訪れると、夫婦揃って出迎えてくれました。
「こちらです」と母親に案内され、息子の部屋の前まで来ました。
母親が「開けるわよ!」とドアを開けるなり、
「いつまで寝てるのよ!」と大声をあげながらベッドの布団を剥ぎました。
その姿を見た時、俺は驚愕しました。
ベッドには、顔のない裸のマネキンが1体横たわっているだけだったからです。
そして、父親にこう言われました。
「診て欲しいのは、現実を受け止められない私の妻です」
ある電車の中、ガタイの良い若い少年が携帯をいじっていた。
隣にお婆さんが居て、「医療機器使ってるから電源切ってください」と言った。
その少年は「来たメールを読んでるだけだからっ」と言って、いじるのを止めない。
隣のサラリーマンのオジさんがすかさず、
「今は読んでるだけでも読んでるうちにメールが来るかもしれないだろ。切りなさい」
と言った。
少年は怒り狂った口調で「ああっん?!!」と彼を睨んだ。
逆切れだ!オジさんやばいぞ!
見守る人たちがそう思った時、少年は携帯をオジさんに突きつけながら言った。
「見ろよ!俺に来た最後のメールは4ヶ月前だっ! それ以来誰も送ってこないんだよっ!
今更誰が送って来るんだよっ!!! 俺から送る相手もいないんだよっ!!!」
みんな黙り込んだ。
しかしその中に1人だけ、無愛想な顔をして少年に近付くガタイの良い男がいた。
彼は少年から携帯を奪い取ると何か操作をして、再度、突き返した。
少年が呆然としていると、男は自分の携帯をいじり始めた。
しばらくして、少年の携帯が鳴った。
少年は目を見開いてパチパチさせながら携帯を見た。
....もうね、多分みんな心の中で泣いてた。
少年も泣いてた。
世界は「愛」によってまわっているんだと実感した。
同時にお婆さんは死んだ。
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プロフィール
HN:
ポテチ/ラダ
年齢:
50
性別:
男性
誕生日:
1974/04/11
職業:
会社員
趣味:
単館系映画鑑賞、音楽や絵画鑑賞、そして絵を描くことと...
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