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ポテチの水彩絵の世界にようこそ! 気分でコメントや画像とか、恐いのや面白い毒ある話とか、 現実の花の色と違ったりとか、妙な感じです。
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http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1305689446

とあるバーにて。
「田中」と名乗り、隣に座る男の話。

男子高校生時代、剣道部の副将であった彼は、
クラスメイトで柔道部の同じ副将であった中里ととても仲が良かった。
ガッチリ大柄で人懐っこくって男らしい中里。
彼はしだいに、憧れから恋愛の対象へと変わっていった。

ある日、彼は意を決して中里に告白しようと旧校舎に呼び出した。
そんな旧校舎は昔、虐められて自殺した男子高生の霊が出ると言われていた。
当時、旧校舎自体は立ち入り禁止になっており、ましては誰も近づくものがいない。
告白するには絶好の場所だと彼は考えたのだ。
前日、中里には昼休みに来るように伝え、
明くる朝早くに彼は旧校舎の扉の鍵を針金で開け、
中の教室の黒板に大きく「中里、好きです」と書いた。
そこで始業のベルが鳴り、慌てて旧校舎を出ようとすると、
その扉の近くでたたずむ男子学生がおり、
彼は「おい、急がないと遅刻するぞ」と声をかけ、教室に戻った。
授業を受け、昼休みに鼓動を弾ませながら旧校舎へ向かうと、
歩いていた彼の目の前に頭から落ちてきた中里。
幸い、死にはしなくとも意識不明の重体だった。
絶叫する彼。


http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1305689525

中里は自殺でということになり、学校では誰が鍵をあけたのかが問題になったが、
彼には疑いすらかからなかった。
しかし「旧校舎に呼び出したのは俺、鍵を開けたのも俺だっ!」と自分を責める。
「このままあいつが死んでしまったら、俺は....」
その日から彼は中里の影に怯える様になった。
血まみれの中里が彼に呻き声を出しながら付きまとう。
絶対に俺を恨んでいる、と中里の影にパニックになった彼。
そこに「田中? おい、田中っ!どうしたっ!」と揺さぶるクラスメイトの清瀬が。
「うぉ?」と、彼は我にかえると、
「どうした、田中。俺は中里じゃなくって清瀬だ。お前大丈夫か?」
正気に戻った彼は、
「中里が俺を恨んでいる!実はあそこに呼び出したのは俺なんだ!」
と、清瀬に打ち明けた。
すると、教室の机が一斉にガタガタッ!と揺れはじめる。
「なんだ? 風...か?」と彼が聞くと、教室を見回してから、
「窓は開いてないぞ」と答える清瀬。

家に帰り、夕食後に軽く眠ると、また血まみれの中里が彼に手を伸ばしてきた。
汗だくで飛び起きる彼。
そこで部屋の電話が鳴り、恐る恐る出ると、
「もしもしっ? 田中?」と清瀬の声。
「ああ、清瀬か....」とホッとしたのも束の間、突然混線し、
「田中....ううぅ.....」と中里の声が。
受話器を投げ、怯える彼。
次の日、彼は清瀬にうながされ、旧校舎へ行くことに。


http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1305689650

旧校舎の鍵を開け、「こうやって開けたんだ。こんな事になるなんて....」と
中里との思い出を語りながら、黒板に告白を書いた教室へ向かう2人。
そういえば、新学期の初日早々に中里が、あまり友達のいなかった俺に
なにかしら、いろいろと話しかけてくれたんだったな。
そう、清瀬に語るうちに彼は気づいてしまった。
「そうさ....俺には清瀬なんて友達はいなかった....お前は誰だ?!」
そう言って振り返ると、血まみれの変わり果てた清瀬の姿が。
「....俺は昔、ここで飛び降りた。
死ぬ前も誰も俺に話しかけてくれる生徒はいなかった。
そして死んだ後もっ!でもお前は違ったっ!」
あの旧校舎にいた時、声をかけた男子高生は清瀬だったのだ。
今なら分かる。
きっと中里はこいつから俺を守ろうと出てきてくれていたのだ。
「....俺は嬉しかった。お前を誰にも渡さないっ!」
清瀬に凄い力で窓際に引っ張られる彼。
上半身が窓の外に出てしまい、もう落ちると思った時、
「やめろっ! 助けてくれっ! 清瀬っ!! 清瀬っ!!!」
彼は必死に清瀬の名を呼び続けると、
清瀬は何かを叫び、涙を流して消えていった。
そのまま気を失いかけ、外に転落していく彼。
その時、ふっと手が浮いた瞬間、がっちりと掴む手が。
抱きかかえるように助けてくれたのは中里だった。
そのまま微笑んで消えてしまう中里。
黒板を見ると彼が大きく書いた「中里、好きです」の下に
「俺もだ田中、好きだ!」の文字が。

その日に中里の意識が回復し、半年後には完全に復帰した。
むろん、彼は中里と付き合う事になった。


私「それじゃあ、あなたには素敵な相方が居るってワケだ〜」
彼「いや、彼とは肉体的な相性の相違というか....すぐに別れたよ」


http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1305689477


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単館系映画鑑賞、音楽や絵画鑑賞、そして絵を描くことと...
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