ポテチの水彩絵の世界にようこそ!
気分でコメントや画像とか、恐いのや面白い毒ある話とか、
現実の花の色と違ったりとか、妙な感じです。
兄は筋金入りの潔癖症(そして、ちょっとオネエ)。
いつも部屋をピカピカにしてないと気がすまない。
私はというと、どちらかというとズボラな方で、
ゴミが散らかっててもあまり気にはならない性格だ。
だから2DKのアパートで一緒に住んでいる兄と私は、
なんとなくぎこちない感じだった。
ある日、業を煮やした兄はついにキレた。
「もう限界。
毎日毎日部屋を散らかして! 片付けてるこっちの身にもなってよ!
どうせわざと散らかして片付けてる私をみてほくそ笑んでるんでしょ?
あんたみたいな薄汚れた人間なんて真っ平!! 」
そういって出て行ってしまった。
あまりに凄い剣幕だったので、
「なによ、あそこまでキレることないじゃん」と思いつつも、
私は少し反省して、
これからは少しでも整理整頓できる女になっていこう!と決心。
とりあえず、今散らかっている部屋を掃除し始めた。
30分後。
部屋の隅から隅までゴミ1つない光景がそこにあった。
我ながら感嘆の溜息を漏らし、
私だってやれば出来る! という自信がついた。
そこへ姉が帰ってきた。
どうやらゴミ袋を買いに行っていたらしい。
それにしても、随分と大きなゴミ袋だ。
私は「ほら見てよ、お兄ちゃん。
あたし頑張ってこんなに綺麗にしたのよ! だからそれも必要ないし。
あたしだってやればできるんだから!」と息巻いた。
すると兄は「そう?」といい、ゴミ袋を1つだけ取り出した。
昨日は少ししか会えなかったから、
今日は黙って彼の家まで来ちゃった。
リビングで細々としたゴミを片付けて、
台所で鼻歌混じりに包丁をふるう。
彼、帰ってきたらどんな顔するかしら。
考えるだけで笑みがこぼれる。
その時、インターホンが鳴った。
モニターを見て、私は玄関に向かう。
きれいにしたばかりなのに、またゴミを片付けなきゃ。
まったく彼ったら話してくれてないことが多いんだから。
俺はどうしようもなく彼にひかれていた.....繰り返し。
嗚呼、思いだす、彼との思い出。
体格とは裏腹に極め細やかな性格で可愛かったな。
柔道の試合後、初めて告白した時にみせた満遍の笑顔。
横浜の埠頭にて、
夜景をバックに銀の指輪を渡した時は、涙を流して、喜んだっけ。
7年間の思い出が頭を駆け巡る。
....だけど俺は彼を裏切ってしまった。
野心に負けて、社長の娘を選んだんだ。
彼は思い出の場所に俺を呼び出した。
俺は、本当は彼を1番愛してると伝えたかったけど、
もはや何も言えなかった。
彼は、 泣いてる様な笑ってる様な顔で、
「おまえとしあわせになりたかったよ....でももうておくれだしね!」
そういい残すと車を走らせた。
彼の去った後は怖いくらいの静寂が訪れた。
俺は結局、結婚できなかった。
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プロフィール
HN:
ポテチ/ラダ
年齢:
50
性別:
男性
誕生日:
1974/04/11
職業:
会社員
趣味:
単館系映画鑑賞、音楽や絵画鑑賞、そして絵を描くことと...
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