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ポテチの水彩絵の世界にようこそ! 気分でコメントや画像とか、恐いのや面白い毒ある話とか、 現実の花の色と違ったりとか、妙な感じです。
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http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1330612971

小学生の頃、家に叔父が居候してた。
叔父は工場の仕事をクビになり、
家賃も払えなくなってアパートを追い出され、やることもなく、
毎日俺が住む家でゴロゴロしていた。

収入もなく、毎日安酒を飲んで寝てるだけの叔父だったけど、
甥っ子の俺のことは可愛がってくれ、時々棒アイスを買ってくれたり、
釣りやクワガタ採りに連れてってくれたりして、
俺はこの叔父が好きだった。

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1330612918

叔父が居候しだして半年が過ぎた頃のある雨の深夜、
父と伯父が階下で言い争いをしてる声が聞こえた。
かなり激しい怒鳴り合いだったので、聞いてたラジオの音を微かにし、
息を殺して聞いていると、突然バタン!とドアが閉まる音がして、
叔父らしき大柄の男がドスドスと階段を上がる音が聞こえてきた。
げっ、俺の部屋にくんの? とビビってると、
隣の仏間の障子がピシャっと閉まる音がした。
俺はそっと布団に潜り込み暫くドキドキしてたが、
いつの間にか寝入ってしまった。

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1330613032

翌日の日曜、俺の両親は仕事場の店にいってしまい、
家には俺と叔父の2人きりになった。
俺は昨夜のことは知らないふりで、日曜の昼のテレビを見ながら、
母が用意してくれてた唐揚げで早めの昼飯を食べていた。
そこに叔父が2階の仏間から出てくる音に続いて階段を下りる音がした。

のれんをくぐり、顔を出した伯父に俺はちょっと緊張しながら
「ブンちゃん(伯父)、おはよ~」と言うと、
叔父も「おう、なんや、美味そうやな」と一緒にご飯を食べだした。
「なあ、タカシ(俺)。飯食ったら釣り行くか?」と誘われたので、
俺は子供心に叔父を慰めてやろうと「うん」と同意した。

釣竿を2本持ち、仕掛けの詰まった箱をバケツに入れて、
俺と叔父はいつもの近所の滝つぼへ向かった。

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1330613074

滝つぼは前日の雨で水位が増し、褐色の濁流が厚い渦を巻いていた。
「あんまり連れそうやないね」と俺が言うと、
叔父も「どうやろか、まあ、ちょっとやってみようか」と応えた。
「こう言う時の方が帰って釣れるもんやけん。ウナギとか釣れるとぞ」
と言い、叔父は滝壺の方まで進んだ。
俺はこんな奥やら行かんでいいのにな~と思いながらも、
言葉少なに早足で叔父の後をついて行った。

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1330613117

「....ここでいいか」
叔父は滝壺手前の高い大岩の前で止まった。
「タカシ、この上から釣ろうか。ちょっと上ってみ」と俺を持ち上げた。
俺は尻を押されてなんとか岩の上に這い上がると、
「どうや? 水の具合は。釣れそうか?」と叔父が聞いてきた。
俺は濁流が渦巻く水面を覗き込み、
「魚やらいっちょん見えんよ」と魚影を探した。
暫く水面を見てた俺は、叔父の返事の無いことに気付き、
「ブンちゃん?」と振り返った。
岩の下にいたはずの叔父は俺の直ぐ背後に立ち、
俺を突き落とそうとする様な格好で両手を自分の胸の前に上げていた。

振り向き様に叔父さんの姿をみた俺は固まった。
叔父の無表情で力の無い目。
水が打ちつけられる轟音をバックに時が止まった。

俺は何も言えずに叔父の目をただ見つめ返すことしか出来なかった。
汗が頬を伝い、身動きの出来ない体の中で、
ただ心臓の鼓動だけが高鳴った。
伯父も手を下ろそうとせずに、ただ無気力な目で俺を見つめていた。

どれくらい見詰め合っただろう。
不意に叔父の背後の藪ががさがさとなった。
両者ともハっと我に返り、藪に目をやった。
見るとこちらに気付く様子もなく、近所の農家の人が横切って行った。

俺は俯いて動かない叔父の横を通り過ぎてから
「今日は釣れそうにないけん俺先帰っとくね」とだけ言って歩き出した。
滝から少し離れると、俺は弾かれた様に全速ダッシュで逃げた。
振り返るとあの目をした叔父がすぐ後にいる様な気がしたからだ。
俺は前のめりになって全力で走った。
 
http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1330613173

大分走った頃、自分がボロボロ泣いていることに気付いた。
俺は家に帰らず、両親のいる店へと向かった。
当時定食屋をやってた両親の店で、俺は両親が店を終わるまで過ごした。

伯父はその日帰ってこなかった。

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1330612836

翌日の夜に父が警察へ届け、数日後に伯父は水死体で見つかった。
俺は滝壺であったことを一切語らず、伯父は1人で釣りに行き、
その最中での事故で片付いた。

俺が持ち帰った仕掛け箱に叔父の字で書かれたメモがあった。
それには ”タカシを連れて行く” とだけ書いてあった。

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プロフィール
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ポテチ/ラダ
年齢:
50
性別:
男性
誕生日:
1974/04/11
職業:
会社員
趣味:
単館系映画鑑賞、音楽や絵画鑑賞、そして絵を描くことと...
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