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ポテチの水彩絵の世界にようこそ! 気分でコメントや画像とか、恐いのや面白い毒ある話とか、 現実の花の色と違ったりとか、妙な感じです。
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http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1318437055

私には、母親の記憶が無い。
母は、私が小さい頃に亡くなったそうだ。
父は、男手ひとつで私を育ててくれた。
優柔不断でお人好しすぎる父にイライラすることもあるが、
本当に感謝しているし、大好きだ。
そして、父がしてくれる母の話が好きだった。

小さい頃は、ある友人の母親が羨ましかった。
その友人宅へ遊びに行くと、お母さんが笑顔で出迎えてくれて、
美味しいお菓子を出してくれた。
そして帰りには「また来てね」と優しく声をかけてくれる。

私は父に、何故私には母親がいないのか、泣きながら訴えたこともある。
すると父は、決まってこう言った。
「アキラ(私の名前)、母さんはな、天国にいるんだ。
本当は母さんだってお前のそばにいたかったんだよ。
だけど、病気に勝てなかった。
母さんが一番辛くて、悔しくて、悲しかったんだ。
だけど、ちゃんと天国からお前のことを見てるよ。
なによりもお前のことが大好きだからね。
だから、母さんがいないことをお前が悲しんだら、母さんはもっと悲しいんだよ」

私はこの話を聞くと、天国の母を悲しませてはいけないと思った。
何より、この話をする時の父の悲しそうな顔を見て、
子供心に父を悲しませてはいけないと思った。


http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1318437182

それから十数年、私に初めての恋人が出来た。
厳つい私はもてるタイプではないし、そういうことに奥手だった為、舞い上がっていた。
彼は、少し不思議なところがあった。
所謂、霊媒体質なのだそうだ。
私は大人になって、正直、霊の存在を信じていなかったが、
彼の機嫌を損ねたくなかった為、適当に話を合わせていた。

ある日、いつもの様に部屋で情欲にまかせた後、
彼と2人でまったりしていると、突然、私に聞いてきた。
「幽霊って信じる?」
信じていない。
どうしよう。
正直に言ってシラケるのは嫌だ。
しかし、嘘をついてもそれはそれで疑われそう。
私は顔に出やすいらしいから。
そこで、ふと思い付き、母の話をした。
父にいい聞かせられたことや、友人の母親がうらやましかったこと。
そして、「一度でいいから母と話しがしたいな」
叶うことは無いと分かりきっている願いだ。
すると彼は、「そっか」と言ってしばらく黙りこんでいた。


http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1318437314

それから数日後、私は彼に呼び出された。
そこは普通のワンルームで、部屋には彼と綺麗な女性が待っていた。
「はじめまして。マサユキ(彼の名前)の姉です」

なんでも、彼の一族は代々拝み屋をやっていて、
中でもこのお姉さんが1番強い力を持っているのだそうだ。
「マサユキからあなたのこと聞いてね、私だったら少しだけ力になれると思うの」
そして彼女は正座して目をつぶり、しばらく動かなかった。
部屋の中に静けさが漂う。

やがて、彼女は目を開けて、こう言った。
「アキラさん、あなたにね、お母さんがあなたに伝えたいことがあるんですって。
お母さんは、あなたにごめんねって言ってるわ。
そばにいてあげられなくてごめんねと。
それから、これからもお父さんのことを宜しくと。
ちょっとだらしないところもあるけど、とっても優しい人だから、
この世で1番、あなたのことを考えている人だからですって。
それから最後に、お母さんはあなたのことを本当に愛してるわ。
お母さんが、あなたにしてあげられなかった分まで、
あなたは、いつか産まれてくる自分の子供に愛情を注いであげてね」
彼女は優しく私の手をとり、微笑んだ。

そして、私の右手に、御守りだと言ってピンクの小さな石を握らせた。

私の目からは不似合いの涙が溢れていた。


http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1318437140

それから数年後、父が亡くなった。

父の葬儀が終わった後、葬儀場にとても嫌な感じの女性の姿を見かけた。
叔母だ。
私はこの叔母が苦手だった。
化粧が派手で、父のところに度々現れては、金をせびっていた。
私のことは完全無視で、まるで空気のような扱いだった。
私が「おばちゃん怖い」という度に、
父が「ごめんな、アキラ。父さんの妹なんだ」と謝っていたのを思い出す。
今日も、かろうじて喪服は着ているものの、御焼香もせず、ブラブラしているだけ。
品のない派手な化粧は相変わらずだ。

私が顔をしかめているのを見つけた叔父が、声をかけてきた。
「おいアキラ、あんまり気を落とすなよ」
「ああ、大丈夫だよ。叔父さん」
「そうか? なんだかお前、怖い顔してたぞ」
「俺、あの伯母さんが来ているものだから....」
「伯母さん?」
「うん、ほら、あそこでボーッと立ってる。お葬式なのにあんな化粧して」

「アキラ。....気持ちはわかるけど、実の母親のことをそんな風に言っちゃダメだぞ」


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そういえば、マサユキのお姉さんに鑑定料とパワーストーンの代金20万円を払った後、
彼と連絡取れなくなったっけ。


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50
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1974/04/11
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趣味:
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