ポテチの水彩絵の世界にようこそ!
気分でコメントや画像とか、恐いのや面白い毒ある話とか、
現実の花の色と違ったりとか、妙な感じです。
私の娘は、小さい頃から『何か』が見えるらしい。
『何か』というのは、妖精、お城、お花畑等、様々なものが見えるらしい。
そんな娘も小学生になった。
娘は相変わらず「何か」が見えている。
その『何か』は学校でも見えているらしく、友達や先生を困らしていた。
私は、娘を病院に連れていくことを決心した。
診察は手短に終わり、医者は簡単にこう言った。
「こういった子は世界中にたくさんいます。治療では治りません。
こういった子を集め、自然治癒を目指している特殊学校があるので
そちらをオススメします」
私は娘が治るならと思い、特殊学校に入れることにした。
入学説明会に向かっている途中、ドングリの様に丸い目を輝かせながら、
「お母さん、あそこに妖精さんがいるよ、お話してきて良い?」
と言ったりしている。
私は深い溜め息をつき、学校へ向かった。
学校へ着くと、先生が待っており、すぐに説明が始まった。
娘は学校の生徒らしき子と何かを話し、学校の奥へと走り去っていった。
私は先生に、「あの子も娘と一緒の症状の子なんですか?」と聞いた。
先生は「はい、そうです」と答えた。
私はつい、「大変じゃないですか?」と聞いてしまった。
すると先生は、
「いえいえ、全然大変なんかじゃありません。
子供の想像力には毎日頭が下がる一方です。
こういった子たちが将来、有名な芸術家になったりするんですよ。
ここの職員は皆そう思って子供たちと接しているのです」
と、ドングリの様に丸い目を輝かせながら言った。
私は、再び、深い溜め息をついた。
ある田舎から出てきた同僚と、飲みに行った時のことだ。
飲みながらお互いの故郷の話をした。
彼の故郷はど田舎だが、過疎や商売で悩むことはないらしい。
俺の故郷も田舎だが、彼の故郷とは正反対だ。
興味を持った俺は、彼にいろいろ尋ねてみた。
「町で何か特別なことでもしてるのか?」
「いや、俺たちはなにもしてないよ」
「じゃあ、何か有名なものでもあるのか?」
「ああ、それなら....」
彼は名所と思われる場所をいくつかあげたが、
聞いたこともないところばかりだ。
それから彼は、近々故郷へ帰って
家業の宿屋を継ぐということを嬉しそうに話してくれた。
その日は早めに切り上げることになり、
別れ際に彼は寂しそうに言った。
「もし俺の故郷にくることがあったら、ぜひ知らせてくれよ。
表向きは歓迎できないけど」
規則正しい音が響く。
無機質な機械が並ぶ白い部屋で、私と妻は顔を合わせる。
乱れることなく響き続けるこの機械音が、
心臓が鼓動する事を示す音だけが、
妻の最後の望みの糸だ。
『脳死』
それが、医者によって下された診断。
こうやって顔を合わせても、私も妻も黙ったまま。
かつての幸せな笑顔も歓談する声も、とうの昔に失われてしまった。
私の声は妻には届かない。
妻の思いを知るすべは、私にはもう無い。
そんなふうにぼんやり考えていると、別の人物、担当医が入ってきた。
「先日のお話ですが」と、事務的に切り出す医者。
「こちらの準備は全て整いました。後は、ご家族の同意だけです」
「ええ、お話を聞いて、よく、考えました」
医者に返答する声は、震えている。
「子供はまだ若い。そして現状維持の費用は高くて、
とてもじゃないけど払い続けられません。
既に借金も重ねています。これ以上はもう、どうやっても。
....お話いただいた件、確かなんですよね?」
「お任せください」
足元を見られている、そんな感覚はある。
老獪な医者は、多分腹の中で笑っているはずだ。
だが、背に腹は変えられないのも現実だ。
「確かにこの国では未熟な技術だが、
成功すれば現在よりももっといい状態で生き続けられる。
勿論、あなた方の生活も」
「....宜しく....お願いします」
堪えきれない嗚咽が漏れる。
だが、これで、生き続けることを望む者が、皆救われるのもまた事実。
今年の夏、実に久しぶりに実家に帰った。
お袋は俺の大好物の、西瓜とカルピスでもてなしてくれた。
親父といっしょに風呂に入り、じーさんばーさんも囲んで飯を食った。
どうやら今夜は夏祭りのようで、縁側から見る花火は最高だった。
妹が夜店に行きたいとせがむので、家族みんなで浴衣に着替え祭りに行った。
こうして家族全員で出かけるのは何十年ぶりだろうか?
お袋が「忘れ物はないかい?」と尋ねる。
俺はちょっと考えてから、「ああ…何もないよ」と答えた。
今日は夏祭り。
どこまでも続く提灯の灯りがキレイだ。
私は妻のセンスで、洋館風の家に住んでいる。
おかげで、私の相棒であり家族の猫にベストマッチする洋間が、私の部屋だ。
ロシアンブルーの毛並みがよく映える。彼の名前はノイズルド。
あの人ひとりが入るほどの大きな桐箱が、私の宝物である。
ノイズルドも気に入っているようで、蓋の上を寝床にしていた。
なぜあんな箱が宝物なのかって?
人は信じないが、あの箱に身を収め目を閉じると未来に行けるのだ。
未来に行けると言っても、未来空間に自分の視覚と聴覚を投げ込むだけ。
未来を見て聞けるが、未来に直接干渉することは出来ない。
私はその箱を『神の目』と呼んでいる。
そして、その中で見ることの出来る未来映像を、『ミチビキ』と名付けた。
私はミチビキのおかげで生きている。
というのも、私は神の目で私を殺す人間を見た。
そして私は「現在」の世界で、殺される前にそいつを殺してやった。
それだけの事だ。
まだ何の事件にもなっていないようだ。
そいつの死体も完璧に隠した事だし、まだしばらくは大丈夫だろう。
それにしても、ノイズルドの体調が最近良くないみたいだ。
お気に入りの『神の目』の蓋の上にも、もう近づこうとしない。
ノイズルドの未来を見てみようか。心配になってきた。
私は神の目に顔を入れ目を閉じた。
そこで見たのは、腐敗して原型をギリギリとどめている愛猫の姿だった。
私は愛する相棒の悲惨な姿と、その腐敗臭にむせながら、「現在」に帰った。
まだ元気な唯一の家族を抱きしめ、私は未来を見たことに猛烈な後悔をした。
急に耳が聞こえなくなったんで、数日間だけ入院することになった。
僕と同じ病室には、自分より小さい女の子が1人で入院していた。
その女の子は僕が声をかけても無視するばっかりだった。
絵を描いたりもしてみたんだけど、反応すらしてくれない。
ある時、僕はずっと無視し続ける女の子に我慢が出来なくなって、
ベッドから飛び起き、女の子の手をきつく握って、
「なんで無視するんだよ!」って叫んでしまった。
あまりに突然のことだったから、女の子はキョトンとしていた。
僕はハッと我に返り、
手を離して「ごめん」と女の子の頭を撫でて謝った。
女の子はとびきりの笑顔を見せた。
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プロフィール
HN:
ポテチ/ラダ
年齢:
50
性別:
男性
誕生日:
1974/04/11
職業:
会社員
趣味:
単館系映画鑑賞、音楽や絵画鑑賞、そして絵を描くことと...
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