ポテチの水彩絵の世界にようこそ!
気分でコメントや画像とか、恐いのや面白い毒ある話とか、
現実の花の色と違ったりとか、妙な感じです。
最後に見たのは、あいつの笑顔。
すすめられたワインを飲んだ私はそのまま視界が薄れていった。
崩れ落ちてく肉体を支えるそいつに身を預けた後、苦痛があった。
私は肉体に残る鈍い痛みで目が覚めた。
かなり狭いところに押し込められている模様。
全身を縛られている。猿轡を咬まされている様で、声すら出ない。
……頭が重いし ……体中が痛い ……なぜ、なぜこんなことに……
「これが俺の家だ。じゃあ、先にあがっててくれ」
私は朧げな記憶を辿っていると、男の声が聞こえ、玄関の扉が開く音がした。
そうだ…… 私は昨晩、バーで意気投合したやつの家に…… 呼ばれて……
その後のことが、思いだせない。
しかし、この痛み。
とても酷いことを…… されてしまった様な気がする。
ダンダンダン……
階段を上がる様な音が聞こえる。
部屋の電気がつくと、狭い視界に見えたのは……… 足だ。
その足はフラフラと動き回っている。
そして、落ち着くところを見つけたのか、俺の目の前で止まり、
その足の主は腰を降ろした。
……あいつか? ……いや、違う。
学生服の黒いズボンと薄汚れた白い靴下。
よく見ると、目線の先にある全身を映す鏡が、足の彼と
ベットの下にいる私をとらえていた。
ああ ……私に気付いてくれ!
声にならない声。
すると腰や足に鈍痛が走り、顔が歪むものの、気になどはしていられない。
しかし、足の彼は気づく気配がない模様。
そんな中、静かに階段を登る音が響いた。
ああ、頼む! 気づいてくれ! 私を助けてくれ……
しかし、無情にも扉は開き、隙間からやけに太くて浅黒い素足が見えた。
昨晩のあいつだ…… 私に早く気づいてくれ!
すると若い青年が少し震えた声で言った。
「ア、アニキ。俺、酒を買い忘れたからコンビニに行きたいんだけど?」
は? こいつ、何を言ってんだ! 私に気づいてくれ!
やつと2人にしないでくれ……
「酒?」あいつが言った。
「そう、酒だよ、酒。この辺コンビニどこにあるの?
アニキ、一緒に行ってくれない?」
青年はそう言いながら部屋の外へやつを誘った。
まぁ、最悪、あいつがいなければ、まだなんとかなるかも……
「酒ったって、君、未成年だろ? 酒なんてダメなんじゃね?」
「いや、いいからさー!」
私には、あいつに目線で合図を送る青年が見えた。
それは、確実に私に怯え、一刻も早く部屋を出たいと言う視線だった。
……あぁ、こいつは私に気づいてたんだな。私が彼を見るより先に……
あれ? 待てよ?? この状況じゃ…… もしかして、私の方が不審者……か?!
青年の挙動を見て悟ったあいつは歪んだ笑みを見せ……
「お前。見ちゃったねえ♪」
ドスッと、彼の鳩尾に一撃を叩き込んだ。
「うあっ……」
私は、気を失って男の腕の中におさまる彼を見た。
……ああ、そうだ……私もこんな風に……
それからの様子が自分のものと重なったためか。
私は汚辱の時間を思い出し始めていた。
どれだけ時間がたったろうか?
蘇ってきた記憶に苛まれながら、
私は頭上で響く擬音と彼の泣き声を聞いて思った。
……終わりだ ……私はもう逃げられない。
そして、お前もな。
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プロフィール
HN:
ポテチ/ラダ
年齢:
50
性別:
男性
誕生日:
1974/04/11
職業:
会社員
趣味:
単館系映画鑑賞、音楽や絵画鑑賞、そして絵を描くことと...
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