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ポテチの水彩絵の世界にようこそ! 気分でコメントや画像とか、恐いのや面白い毒ある話とか、 現実の花の色と違ったりとか、妙な感じです。
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http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1317475951

とあるアメリカ人の男が、東南アジアのある国を訪れていた。
男は知人の家に行くために三輪トラックを借り、現地の人間を雇って運転させた。
男自身は、たくさんのお土産とともにトラックの荷台に乗った。
荷物が落ちないように見張るためであったが、
男は景色を広い視野で見たかったので、悪い気はしなかった。

出発から1時間ほど経って、トラックはスラム街にさしかかった。
そこでは多くのストリートチルドレンたちが暮らしていた。
皆やせ細り、服もボロボロだった。教育もまともに受けてはいないだろう。
彼らは男をじっと見つめていた。
男は彼らにひどく同情したので、お土産の1つのダンボールを開け、
走りながら中身のチョコレートをばらまいた。
男は走り去りながら、彼らがチョコを拾って食べる様子を見て満足していた。


http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1317476280

3ヶ月後、男はまた同じ国を訪れ、三輪トラックを借り、
現地の人間を雇って運転させ、荷台に乗って知人の家に向かった。
そして、トラックは1年前と同じ道を通り、スラム街に入った。
ただ1つ違うのは、今回はお土産を持っていないということだった。
ストリートチルドレンたちは男とトラックに気づくと、じっとその行方を見守っていた。
男は彼らに感謝されていると思っていた。
しかし現実は違った。
彼らは、男が食べ物をくれないとわかると、トラックの進行を妨害しだした。
そして荷台に乗り込み、男の唯一の荷物のリュックを奪って逃げて行った。
財布やパスポートなど貴重品が入っていた。
男は憤慨した。
恩を仇で返された。
道徳を学んでいないことは罪である。
無学は愚かだ。
言い様のない怒りが男の心を占領した。


http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1317476322

更に半年後、男はまた東南アジアのその国を訪れていた。
一度ひどい目にあわされていたのにだ。
トラックを借りた。
現地人を雇った。
荷台に乗った。
今回はたくさんのダンボールを抱えていた。
しかし、それは知人へのお土産ではない。
男は運転手にスラム街へ向かわせた。
男は期待と興奮で胸を高鳴らせていた。

スラム街につくと、男は大きな声で叫んだ。
その国の挨拶の言葉だ。
ストリートチルドレンにだって理解できた。
彼らは男の元へ集まってきた。
男は荷台のダンボールを開け、素早く中身をばらまいた。
それはたくさんの消しゴムとクレヨン、そして液体のりだった。
男は半年前帰国してから、これらを彼らにばらまくことが、
男にとって本当の幸せを届けると思いついたのだった。

走り去りながら、消しゴムやクレヨン、液体のりを拾う彼らを見て、
男は心から笑った。
男からは爽快感が溢れていた。


http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1317476412

街から離れた山のふもとに、その男の家はあった。
男はそこで絵描きをやっていて、時々訪れる客のために絵を描くのだった。
男は数年前まで外科医だったのだが、ある事情によりその職を辞した。
どうしたものかと途方に暮れていたある日、
男はそれまでに得た人体の構造についての知識を何かに活かせないだろうかと考え始めた。
骨格や筋肉について熟知しているから、
少しの練習でそれなりのものが描けるようになった。
といっても、風景画などはからっきし駄目なのだが。

男はノックの音で目を覚ました。
「小鳥のさえずりすら聞こえない時間に誰だろう。まさか客かな」
ドアを開けると、ウサギの毛の様に白い肌をした青年が立っていた。
彼はその扇情的な目を男に向けて、
「こんな時間に申し訳ありません。描いて欲しいものがあるのです」
「はて、何でしょう。あなたのお顔でしょうか。それとも知人のでしょうか」
正直を言えば、男は彼の顔を描きたかった。
今までに出会った誰よりも美しく、時間を共に過ごしたかったからだ。
しかし青年は写真などの資料を見せようとする素振りはなかった。
そんな願いが届いたのかと男が思った時、
「誰のでもない顔を描いていただきたいのです」と彼は言った。
「はて、どういうことですかな」
「つまり、この世界の何処を探してもその顔の持ち主はいない.....
そういう肖像画をお願いしたいのです」
「....なるほど」
「抽象画の様なタッチで単純化されていたり、
ピカソの様な目や鼻の場所がおかしかったりするのではなくて、
まるで、実際にその人の顔を模写したかの様な写実的なものを、お願いできますか」
男はしばし黙考し、答えた。
「わかりました。お安い御用です。君は美しいので、お代は半分で結構です」
「僕が美しいだなんて、不思議なことをおっしゃる方ですね。
....それではお願いします」
「明日にまたいらっしゃってください。その時にはもう、完成しているでしょうから」
「急な申し出にも関わらず、感謝します。楽しみです」


http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1317477218

その日になった。
青年は昨日と同じ時間にやって来て、肖像画を受け取り、
「ありがとうございました。とても素晴らしい」
と言って、嬉しそうに帰っていった。

それからしばらく経った日、男が新聞を広げると、大きなニュースが目に入った。
数日前に起きた殺人の犯人が捕まったという内容だった。
その犯人は、数年前に行われた外科手術で死亡したはずの人間とのこと。


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プロフィール
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ポテチ/ラダ
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50
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男性
誕生日:
1974/04/11
職業:
会社員
趣味:
単館系映画鑑賞、音楽や絵画鑑賞、そして絵を描くことと...
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