ポテチの水彩絵の世界にようこそ!
気分でコメントや画像とか、恐いのや面白い毒ある話とか、
現実の花の色と違ったりとか、妙な感じです。
とある病院での夜中の出来事。
記録室で書き物をしていたら、ひょっこりと部屋を覗く気配がした。
上の階の病室で入院していた田坂さんだ。
「どうしたの? 田坂さん」
声を失う手術をした田坂さん、困ったように立っている。
「家に電話? 何かあった? あなたの書類なら今書いてますよ?」
彼が小指を立てた後、額に手を当てて頭をゆらゆらさせている。
「小指....女性ってこと? ああ、奥さんのことね。....気分悪い?」
そういえば、田坂さんには奥さんが今夜付き添ってることを思い出した。
「奥さん、気分悪いの? 見に行った方がいい?」
すると彼がニッコリしてうなずいた。
私は急いで彼のいる部屋に走った。
部屋が見えた時、部屋から娘さんが出てきて「すいませんお袋が!」と叫んだ。
具合の悪そうな奥さんを、娘さんと2人で病棟に移し、
疲れによる貧血だろうということで、点滴をしてしばらく様子を見ることにした。
しばらくして様子が落ち着いたのを見て、
家に帰れるように、奥さんと娘さんに田坂さんの診断書を渡した。
同時に、彼が奥さんの不調を教えてくれた事も。
なんだか奥さんはまた泣きだしいて、さすがの娘さんも泣きそうだった。
明くる日、迎えに来た車を見送って、つぶやいた。
「さよなら、田坂さん」
最近、残業徹夜続きだ。
その日も残業で会社に残っていた。
すると携帯が鳴り出し、見ると実家の母からだった。
電話に出るといきなり、
「ちょっと、タカシ!? お爺ちゃまがたった今亡くなって大変なのよ。
急で悪いけど、あなたこっちに来れる?」
祖父は小さい頃よく遊んでくれて、私は大好きだった。
「わかった、仕事終わったらすぐ行くよ。
会社は明日休ませてもらうように頼んでみる」
仕事を早めに切り上げ家に帰り、車のエンジンをかけ実家に向かった。
ここから実家までは、夏の昼間でも3時間。
真冬のこの時間なら、4時間位かかるかも。
.....2時間位走っただろうか。
辺りはすっかり田舎で、道路もアイスバーン状態。
同じ車線には俺の車だけで、対抗車もたまにすれ違うだけだ。
そんな雰囲気のせいもあり、睡魔が襲ってくる。
ああ、瞬きしただけでも眠ってしまいそうだ。
俺は眠たい目を擦りながらも、必死でハンドルを握っていた。
ふと気づくと、周りに懐かしい町並みが。
実家は次の角を曲がってすぐだ。
その角を曲がって実家の前に着くと、家の前に誰かが立っているのが見えた。
何と、死んだはずの祖父だった。
訳もわからずとりあえず近寄ると、祖父が言った。
「なんだ。お前も来たのか」
後ろからポンポンっと肩を叩かれた。
ん? なんだ? 一瞬ビクッとしたが、ゆっくり振り返ってみた。
後ろ向きに立ってるやつがいたのでちょっと怖いけど肩を叩いてみた。
ゆっくり振り返って来たので怖くなって後ろを向いた。
後ろからポンポンっと..
猫がこっちを見ている。
ん? なんだ? でも、よく見ると俺の顔を見てるんじゃなく、
ちょっと斜め後ろぐらいをじーっと見ている。
ぞっとして振り返るが何もない。
なんだ、こいつ? 気持ち悪い。
シッ!
手を振って追っ払おうとしたが、知らん顔してじーっと俺の斜め後ろを見てる。
あぁ、なんだ。
俺の斜め後ろを見てるんじゃなくて、
ただ、見えてないんだ。
盲目のその女は非常に裕福な暮らしをしていた。
望んで手に入らないのは視力だけだった。
そんな彼女に手術の話が舞い込む。
「残念ながら完治はできません。目が見えるのは5分間だけです。
再手術も不可能。それでもよろしいのですか。」
もちろん女は承諾した。
ずっと夢見てきたのだ。
「貴方はどんな顔? 色ってどんなもの? いいえ、見えるってどういうことなの?」
そして生涯たった1度、わずか5分の視力を手に入れる手術が行われた。
術後の経過は順調、いよいよ包帯をはずす日が来た。
瞼越しに感じる光。
そこに広がる世界に胸を躍らせ目を開けた瞬間。
部屋の明かりが落ちた。
停電だ。
彼女は絶叫した。
「お願い! 見せて! たった1度なのよ!」
5分後、部屋のライトが点いた。
最近、近所の公園で猟奇殺人事件が頻発してる。
ロープで絞殺してから目玉をえぐり出し、空いた眼孔を犯すという惨い事件。
学校からも公園には近付かないように言われていた。
でも私の友達のA子が被害にあった。
塾の帰りに近道しようとして襲われたのだ。
人はあまりに悲しいと涙も出ないんだって知った。
同時に、私の大切なA子にこんな酷い事をした犯人が許せなかった。
だから私は友達と相談して、私が囮になって犯人をおびき出して捕まえてやろうと考えた。
友達は「危いから警察に任せよう」って止めたけど
小さな頃から親に武道を叩き込まれ、
それなりの自信があった私は無理矢理に頼み込んだ。
最後には友達も折れ、しぶしぶながら手伝ってもらえる事になった。
深夜の公園の道は真っ暗だった。
月明かりと街灯が無ければ何も見えないに違いない。
初日、2日目と犯人は現れなかった。
そして3日目の夜、ついに犯人らしき不審者は現れた。
後ろに人の気配を感じた私は、気付かず携帯をいじるふりをしてゆっくり歩いた。
すると突然、私の首に紐のような物が掛けられ、凄まじい力で絞め上げられた。
でも絞められるのは最初から分かっていたの。
私は振り向き様、この不審者に飛び掛かった。
暴れる不審者の肩をアスファルトに捩伏せる。
ナイフらしき物で何度か切り付けられるが、
私は興奮しているからなのか痛みはない。
.....あたしがそいつに馬乗りになった所で月が雲間から顔を覗かせた。
か細い月明かりでははっきり見えなかったが、
男の顔は恐らく恐怖に歪んでいたのだろう。
短い悲鳴が聞こえた。
冗談じゃない。
あたしは今のあんたよりずっと怖かったよ。
地下鉄を降り、地上に出ると結構な雨。
行き交う多くの人の間を縫うように歩いているといきなり肩を掴まれた。
驚いて振り返るとそこにはタクシーの運転手が。
険しい形相の彼は私の肩を掴んだまま、無言でタクシーに押し込もうとするではないか。
わけのわからぬまま、無理矢理に乗車させられ、急発進するタクシー。
我に返り、抗議しようとした私に運転手が青ざめた顔で言った。
「無茶してすまなんだけど、
誰もいない道で何かを避けるように歩いていたあんたを見て
『助けなあかん!』と思たんや! 」
女上司がいた。
「体調悪いのに仕事なんか来て、あなた馬鹿? 私はフォローしたくないよ、帰りなさい」
他の人の休日出勤も、
「私はやることあるからついでにやる。経費かかるから出てくるな」とか。
後で知ったが、彼女は休日出勤手当もらってなかった。
そつなく何でもできる人で、皆が何かとその人に頼ってた。
彼女は本当は営業なのだが、雑務で担当の顧客に手が回らない事を気にしてて、
でも自分が残業すると部下が気を使うからと、終業後にまた会社戻ったりしてた。
これも後で知った。
「こいつに飲ますなんて勿体ない、私にくださいよ〜」と、
体調不良で熱があるのに、飲めない部下の代わりに接待で酒飲んだりしてた。
仕事なんかに身を捧げちゃいけないってよく言ってたのを思い出す。
綺麗な人だったのに独身だったな。
なんで首吊るまで何も言ってくれなかったのかな。
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プロフィール
HN:
ポテチ/ラダ
年齢:
50
性別:
男性
誕生日:
1974/04/11
職業:
会社員
趣味:
単館系映画鑑賞、音楽や絵画鑑賞、そして絵を描くことと...
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