ポテチの水彩絵の世界にようこそ!
気分でコメントや画像とか、恐いのや面白い毒ある話とか、
現実の花の色と違ったりとか、妙な感じです。
当時俺は、住宅リフォームの飛び込みセールスをしていました。
ある地域を廻っていた時、リフォームが必要そうな家を見つけたので、
アプローチをかけてみることにしました。
すると奥さんが出てきたので、いろいろ話をしました。
お断りされたのですが、もう一押し出来そうな感じでしたので、
「一度ご主人にもごあいさつさせてください」と申し出てみると、
「わかりました。良いですよ。明日の夜には戻ると思います」
との言葉をいただくことができ、翌日の夜、再び訪問しました。
家の中に通していただいて居間で待っていたのですが、
ご主人は一向に出てこない様子。
奥さんに「ご主人お取り込み中なんですか」と尋ねてみたら、
「いえ、ここに居りますよ」と私の横にある仏壇を指差しました。
私は事情がわかったので、お参りして速攻で失礼いたしました。
帰り際の奥さんの言葉が忘れられない。
「主人、明後日まで居りますから、また来てくださいね」
5年ほど前の8月13日のこと。
「都市伝説ってやっぱガセなんだってな」
「え? 例えば?」
「ほら、富士山の樹海では方位磁石が狂うってやつ」
「ああ、あれはホントだよ。俺迷った事あるから」
「マジ? よく生きて出てこられたな」
「運良く、まっすぐ歩いて入ってきたって人に会ってさ。教えてもらったんだ」
俺はその日も残業だった。
疲れた体を引きずり、帰路に着く。
地下鉄のホームのベンチに鞄とともに崩れるように座る俺。
終電の案内がホームに流れる。
ふと見渡すと、ホームには俺独り。
そりゃあ、お盆の中日に深夜まで働いてるやつなんかそうそういるもんじゃない。
フッと自嘲の笑いも漏れるというもんだ。
その時、ホームへのエスカレーターを小さな子供が駆け下りてきた。
えっ? とよく見るとそのすぐ後ろから母親らしき女性が下りてきた。
「カナちゃん、ダメ!母さんと手をつなぐのよ!」
3才ぐらいか。まだ少ない髪を頭の天辺でリボンみたいなので結っている。
俺の目の前で母親は女の子に追い付き、しっかりと手を握った。
到着案内板が点滅し、電車の近付く音が聞こえてきたので俺は立ち上がろうと...
その時、その母親が女の子の手をぐいと引っ張りホームから消えたんだ。
いや、あまりに一瞬のことで訳も解らず俺はホームを見回す。
確か、非常停止ボタンがどこかに....うわ、ダメだ、間に合うわけない!
こうなったら俺が飛び降り、親子をホーム下に押し退けるんだ、うん、
それしかないっ!
「あんた、何してる!」背後から声が。
駅員だった。
「お、女の人とこ、子供が今飛び込んだんですっ」
焦って噛みまくる俺。
そこへ電車が入ってきた。
....あぁ、遅かった。
涙が溢れる俺。
身体の震えが止まらない。
俺の顔を黙って見ていた駅員が言った。
「私もね、初めはびっくりしたもんでしたよ」
寂しい独り暮らしだと、
会社や家族以外の人とのふれあいが結構うれしかったりするんだよね。
俺の場合は、その日は本当ついていなくて、
会社では他人のミスが自分に降りかかってきて上司にめちゃくちゃ怒られ、
いつもの定食屋が混んでて自分の注文忘れられ、
理不尽な理由で担当のお客には怒られ、
ありえない量のサービス残業押し付けられてと、もう、散々な状態で、
帰るころには夜中の1時を回ってた....
こういう時は気分転換にいつもと違ったルートで帰るといいと思って、
寄り道がてら見知らぬラーメン屋に立ち入ったら、
そこで偶然中学の時のクラスメート数人とばったり出会ったんだ。
特に盛り上がった会話はしなかったけど、
独り暮らしの寂しい俺にとって、こういう偶然の旧友との出会いって、
なんかこう... 元気でるんだよね。
おかげでここから抜け出せたよ。
ある青年にはどうしても殺したい男がいた。
ある日の晩、その男を殺すために青年は待ち伏せをしていた。
そして、現れた瞬間、青年は持っていた包丁でその男を刺した。
しかし、よく見るとその男は知らない人。
全く無関係な人を刺してしまっていた。
その男は「何故、俺を殺そうとする.....?」と尋ねた。
今更「人違いだった」と言えなくなった青年は思わず、
「女絡みだ!」と口走ってしまう。
刺された男は誰のことかわからず、色々な女の名前を挙げる。
青年はその内の1人の女の名前を出し、
「俺はその女が好きだった!だからお前が憎かった!」と適当な嘘を吐く。
しかし、実はその女の名前は男の母親であり、しかも既に死んでいたのだった。
それでも、嘘を並び立てる青年。
すると、男は微かに笑いながら、
「俺の母親は苦労ばっかしていると思っていた。
けれど、お前みたいな奴にそこまで愛されていて幸せだったのかもな....」
そう、呟きながら男は息絶えてしまった。
青年は罪悪感に駆られ、思わずその場から逃げ出していた。
突如、腹に激痛が走る。
青年もまた見知らぬ男に包丁で刺されてしまっていた。
そして、青年を刺した男の顔は先ほどまでの自分と似たような表情をしていた。
青年は男に向かって呟いた。
「俺が死ぬ前に....俺を納得させろよ....」
今年の夏の盆、久しぶりに実家に帰った。
お袋は俺の大好物の西瓜とカルピスでもてなしてくれた。
親父といっしょに風呂に入り、じーさんばーさんも囲んで飯を食った。
どうやら今夜は夏祭りのようで、縁側から見る花火は最高だった。
妹が夜店に行きたいとせがむので、家族みんなで浴衣に着替えて、祭りに行った。
こうして家族全員で出かけるのは何十年ぶりだろうか?
お袋が「忘れ物はないかい?」と尋ねる。
俺はちょっと考えてから
「ああ.... 何もないよ」と答えた。
今日は夏祭り。
どこまでも続く提灯の灯りがキレイだ。
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プロフィール
HN:
ポテチ/ラダ
年齢:
50
性別:
男性
誕生日:
1974/04/11
職業:
会社員
趣味:
単館系映画鑑賞、音楽や絵画鑑賞、そして絵を描くことと...
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