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ポテチの水彩絵の世界にようこそ! 気分でコメントや画像とか、恐いのや面白い毒ある話とか、 現実の花の色と違ったりとか、妙な感じです。
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結婚して数年後、やっと子供が授かった。
今ではその息子も3歳になり、何とか会話も出来る様になった。
私は親なら誰もが聞くことだと思うあることを息子に聞いてみた。
「ねぇ、ママのお腹の中にいたこと覚えてる?」
「ウン、ピタっとしてプニュプニュして気持ちよかった。
パパとママの声も聞こえたよ。ボクの名前を呼んでた。
あとね、ボクの横にお友だちも居たよ」
「お友だち? お腹の中に?」
「ウン、女の子。もうずっとママのお腹の中にいるんだっていってた。
それでね、ウンショウンショってママから出てくる時にね、
お友だちがママに ”ずーとここで待ってるから” っていってたよ」

「……でもね、パパ。ママにはお友だちのことはナイショだよ」
「内緒なの?」
「ウン、でもいまでもママのお腹からお友だちの声が聞こえるよ。
”もう、そろそろ出ようかな” って」    


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もう別に怖いってわけでもないし、
今はあんなことは全然起きなくなったのだが、
俺はよく "時間が止まる" 現象を体験していたんだ。
何の前兆もなく、突然、ピタっと時間が止まって、また動き出すんだ。

これは初めて時間が止まった時に体験した話なんだが、
10年くらい前、俺が小学3年生の秋頃、家族で近くで外食して帰る途中のこと。
みんな自転車に乗ってて、両親・兄貴・俺の順で走ってたんだ。
そして十字路で左に曲がれば下り坂ってところで、突然、
自転車がピタっと止まったんだ。
別にブレーキかけたわけでもなく、
前を走ってる家族も、凪いでいた風も止まって、
ええっ? あれれ? 何これ? と俺は不思議に思ってたら、
右側前方の民家の玄関先に、女の人が立ってるのが見えたんだ。
冬物のセーラー服を着て、スカートは足首まで隠れそうなくらい長く、
10年前とはいえ、明らかに今時の女子高生って感じじゃなかった。

その女の人は横を向いていたんで顔は分からなかったが、
俺がふっと下を向いてもう1度見直した時、
いつの間にか体全体を俺に向けてこっちをみていたんだ。
その顔といったら!
彼女の顔色は異様なまでに悪く青白い、大きめの目は虚ろ、
その目の下にはクマがあり、口は半開きでだらしなく、と、
どう見ても健康な人間じゃなかった。
何よりも不気味だったのは、右の袖が風もないのにフラフラ揺れてたことだった。
よく目を凝らしてみると右腕がない…
だからか〜、納得! ってヤバいじゃん!! と直感的に悟った俺は、
それから目を逸らして自転車を漕ごうとしたその瞬間、
頭の中で弾けた感じの音が。
すると、前にいた両親と兄貴が何事もなかったかの様に走り始めたんだ。

俺もそれを追いかける様に必死に走って、
曲がる直前にそのモノがいた場所に目がいったんだけど、
そこにはもう誰もいなかったんだ。
それからだよ。時間が止まる度にそんなモノたちを目撃するようになったのは。
今となっては止まりっぱなしで、
もう動き出すことなんてないと思うけどね。


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昨年の今頃の暑い夏に私と友人の2家族で、
とある湖の近くでキャンプをしました。
その日の昼過ぎにキャンプ場に到着。
チェックインし、テントの設営などを終えて一息ついた頃、
夕食までの時間は、私たち大人は休憩タイム、
子供たちは周辺で遊んでいました。

そろそろ、私と友人は夕食の支度を〜と思い、子供たちを呼んだところ、
小1年生の私の娘だけ見当たりません。
他の子供たちに聞いても、さっきまで一緒に遊んでいたというのみで、
わからないという。
ちなみに割とマイナーなキャンプ場だったからか、
当時、キャンプ客は、私たちのグループともう2組のグループのみでした。
見通しもよい場所なのですぐに見つかると思ったのですが、
なかなか見つかりません。
手分けをしてこの辺りの全てを探し尽くし、
他に隠れるような場所はないはずなのに、
見つからないのです。
キャンプ場の管理人さんも、
「こんなことは始まって以来だ、考えられない!」
と首をひねるばかりです。

日も暗くなり、もしや、湖の底に……と、不安になり、
然るべき機関に協力を要請しようと話し合っていた時、
ひょっこりと娘が現れたのです。
一体、何処にいたのか問い詰めると、"さっちゃん" と遊んでたと言うのです。

"さっちゃん" というのは、いつの頃からか、
名前を口にしている娘の空想の友だちです。
最初は、人形にそう名付けて遊んでいるのかと思ってたのですが、
娘曰く、さっちゃんと人形で遊んでいたと。
その後も思い出した様に名前が出てくる程度で、
このくらいの歳だと空想遊びするし、
実害がなければいいかと思い、私は放置していたのでした。

"さっちゃん" のことは気になりましたが、
まずは御迷惑をおかけした方々にお詫びと御礼をし、
無事に戻ってきた娘も
みんなに心配させてしまったことを反省している様なので、
キャンプを続行しました。

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1376224822

それからの娘は、普段通りで、
聞けば "さっちゃん" の話はするものの、
現実の友だちとの遊びが忙しいためか、
自ら進んで話をすることはなくなりました。
こうやって、空想より現実の世界の比重が高くなるのかと、
母としてホッと一安心していたある日のことです。

私が洗濯物を畳んでいると、息子が私の横にちょこんと座って、
「ねぇ、ママ。お姉ちゃんが知らないおじさんと部屋で遊んでいるよ」
と言ったのです。
え? 家の中に不審者が?? と、私は恐る恐る2階の子供部屋に行くと、
娘はひとりでお人形遊びをしているだけで、誰もいません。
娘に「ねぇ、この部屋に誰かいた?」と尋ねると、
「あー、ママ、それって "さっちゃん" のこと?
遊んでっていうから、さっきまで一緒に遊んであげてたよ〜」
「ねぇ、もしかしてその "さっちゃん" っておじさんなの?」
「そうだよ」
私はてっきり娘と同じくらいの女の子だと思っていたら、
なんと、中年の男性だったのです。
しかも、娘だけでなく、息子にも見えた??
もしかして今までのは空想ではなくて、誰かが家に忍び込んでいたのか?
何年も前から?
私はパニックになりつつも、とにかく、
子供たちに、そのおじさんとは絶対に遊ばない様に言い聞かせました。

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/7170818ba3679a9c8a30a9deff30364e/1376224851

その日の夜、夫にその話をしたところ、
そういえば、子供にしか見えないおっさんの話があったよな〜
と言い始めました。
確かに、昔、私も幼い頃に学校の噂などでそんな話があった気がしますけど。
確か、口裂け女とか花子さんなどと同じ様な都市伝説で、
細かいことは忘れましたが、子供にしか見えないおじさんがいて、
彼に着いていったら、こちらに帰ってなくなるとかそんな話です。
その話と今回のこととの関連もわからず、当然解決法も思いつきません。
結局、どうすることもできず、
不安と気持ち悪さを感じながら毎日を過ごしていました。


そして、それからしばらくたった頃の話です。
私は夜中に目が覚め、水を飲みにキッチンに向かいました。
ちなみに我が家はリビングに併設している和室に
布団を敷いて家族並んで寝ていて、
リビングには子供用の
ジャングルジムと滑り台が一体化した遊具を置いています。
ふと目をやると、真っ暗な中でその滑り台を娘が滑って遊んでいました。
私はあまりにもびっくりしたものの、
何故か声をかけずに、ぼっとその光景を眺めていました。



よくみると、娘の隣に青白い人影がみえます。
暗くて良く分からないのですが、大柄な大人の様。
夫は隣で寝ていましたから、
ああ、これが "さっちゃん" なんだと確信して、
思わず娘に、「こっちに来なさい」と叫んでしまいました。
急に声をかけられ、びっくりした娘が私のところに来ようとしましたが、
その人影は、娘の手を掴むと暗闇の方に引っ張り始めました。
私は慌てて娘を抱きかかえ、その人影の手を振り解きました。
しかし、振り解いても、振り解いても、掴まれるのです。
よく見ると、青白い腕は1本だけではなく、5、6本ある様でした。
人間驚きすぎると、声が出せない様で、
無言でそのモノの手と格闘しました。

後で考えると、
すぐそばに夫がいたので助けを呼べたはずなのですが、
全く念頭にありませんでした。
……なんという嫌悪感。
娘はこんな邪悪なモノと一緒に過ごしていたのか。
私は姿勢を整えるべく顔をあげようとするも、
そのモノが迫って来ていて、これの核なるところを直視てしまったら、
最期の様な気がして顔をあげることができませんでした。
結局、"さっちゃん" の顔をみることはできなかったものの、
渾身の力を振り絞ったことで、ようやく、その手を振り解き、
私たちは布団のある和室の方へ戻りました。
幸い、その人影は追いかけて来ず、暗闇に留まっていました。
1時間、ひょっとしたら10分くらいだったかもしれません。
気絶する様に眠ってしまった娘を傍らに私はそれをみつめ続けました。
そしてふっと、気配がなくなり、人影は消えてしまいました。
我に返った私は、やっと夫の存在を思い出し、叩き起しました。

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夫は口には出しませんが、
私たち2人が寝ぼけていたと思っている様です。
私自身、ひょっとしたら夢だったのかもと思うこともあります。
ただ、娘も私も同時に寝ぼけることがあるでしょうか?
あの腕のジリジリとした感触は、夢ではないはずです。

あれから、"さっちゃん" は娘の前には現れていないそうです。
なんとなく、もう、娘の前には現れないと、私は確信しています。

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これは友人Hが自殺をした時の話です。
彼は俺と高校時代からの仲で、とても良い奴だった。
明朗活発で彼の面白い話や話し方がとてもセンスがあり、優しい。
大柄な体格で一見厳つい印象でか、女子には人気が無かったものの、
男子には絶大なる人気を持ってる奴だった。

それから高校卒業後、俺は東京の大学に行き、
彼は地元の大学へ通ったため別々になり、
連絡もあまり取らなくなってしまった。

そして大学卒業後、俺は東京で就職をしたが、
彼は引き篭もりになったという。
彼が一切笑わなくなっていたことを、
彼の葬式の時に、彼の父親に聞いて俺と友人たちは驚いた。
大学で何かあったのか聞くと、
3年生になってから徐々に引き篭もり始めたとのことだった。

葬式には彼の大学時代の友人も来ていたので、
俺や友人たちは彼らに色々尋ねてみたのだが、彼らもわからなかった。
ただ、3年生の夏休みを明けた9月から、彼らをも避ける様になったという。

俺は色々と情報を集めていると、彼が大学の2年生の2月頃に両親が別居をし、
彼の母親が家を買い、彼と2人だけで住むことになったらしい。
ただ、これが原因とも思えなかった。
彼の両親の不仲は彼が高校時代から嘆いていたし、
本人が「早く離婚して、母は出て行ってほしい」とさえ言っていたのだから。

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それから3年が経ち、東京で社会人となった俺にある日、
故郷に住む高校の時の友人Sから電話があった。
「あのさ、すっごい変なこと言うけど、信じてほしいんだ」と、
おちゃらけた印象のあるSがかなり神妙な感じで話を切り出した。
S  「実は、Hから着信があったんだ……」
冗談にも程があるぞ。彼が死んでもう既に3年たってるんだ。
俺  「おいS、お前、馬鹿にすんなよ」流石に怒って言う。
しかしS曰く、「わかる、そうなんだけど……
もう3年経ってるから携帯は解約してるはずだよね?」と涙声。
S  「昨日、久しぶりにG(同じ高校の同級生の友人)と会って飲みに行ったんだ。
そしたら、23時ごろに携帯が鳴ったから、
表示みてみたらHMから着信って……」
Sは彼の携帯番号を残しておこうと思い、
その電話帳から削除していなかったらしい。
勿論、俺も残してた。
ただ、それでも信じられなかった。
俺  「お前掛け直してみたか?」
S  「ああ。2回掛け直したけど、不思議なことに2回とも繋がった……」
この時はかなり背筋がゾッとした。
俺  「え、マジで??  繋がったってことは誰か出たってことか?」
S  「わからない、わからないんだよ……」と、Sは再び泣きはじめた。
俺は何が起きたか分からなかったため、「何? どうした? おい?」と、
彼を呼びかけることしかできなかった。
S  「お前が信じてくれるかわからないけど、
Gも次に電話してみたから知ってるよ。
お前も確認してくれたら分かるけど……」と話を続けない。
俺  「だからさ、その電話で何があったんだよ?  何があったのか言えよ!!」
S  「わかったからさ、そんなに怒鳴るなよ……」
俺  「……悪かった。だから教えてほしいんだ」
S  「……わかった。それは」

その後、「お前もHの携帯に電話してみてくれよ。嘘かどうかは直ぐ分かる」と、
Sはそれだけ言って電話を切った。
聞かなきゃ良かった。
俺は怖くて電話はできなかった。

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何故聞かなきゃ良かったかというと、その夜、俺の携帯にもかかってきたから。
着信はHの携帯から。

Hは3年前に自殺してる。
棺の中でのお別れもした。
彼の母親が泣き狂いながら、
「H、起きなさい! まだ、間に合うから!」と叫んでたのを思い出した。
その時にふと思った。
もしかしたらこれは彼の母親が、子供が死んだことが悲しくて
受け止められずにやってることなのでは? と。

2回目の着信が鳴った時に俺は思い切って出てみた。
「もしもし? もしかしてHのお母さんですか?」
となるべく冷静に聞いてみると、
電話口から「ちがうよ」とH、彼の声で言われて切られた。
ぞくっとした。
低い男の声で、しかも彼の声で返事があったから。
意味がさっぱり分からなかった。
Hは死んだはずじゃなかったのか。
じゃあ、今のは誰だ? 何で俺らの電話番号を知ってるのか?
何故、彼の携帯からの着信履歴が残ってるのか。
30分近く震えながら考えたが、答えは出てこない。
こっちから電話をしたいが、Sの話が忘れられず躊躇してしまう。
ただ、このままだと埒があかない。
結局、俺は電話をすることに。
手は振るえ、鼓動が激しく息苦しい。
部屋中の電気をつけて、襖やドア、部屋のカーテンを閉め、
着信履歴から彼の携帯に電話をしてみた。

やっぱりするべきじゃなかった。

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受話器から聞こえるコールの音。1回、2回、3回……
心臓がバクバクする。5回、6回、7回、すると留守番電話に切り替わったその瞬間。
「今から死にます」と彼の声が流れ始めた。
「今から死にます。俺の人生を汚しやがって。全部の音を残しておくよ。
 お前を呪ってやるから。呪ってやるからなあああああああ。ガああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

直ぐに電話を切って放り投げた。
Sの言ったことは本当だった。
S  「電話したら、Hの声で……死ぬ前に取ったっぽいのが、
留守電のボイスに入ってた」

すぐにSに電話した。
夜中だったがよけいに怖くて、怖すぎて、他人の迷惑とかに気が回らなかった。
彼は寝てたらしいが、Hの携帯から俺にも着信があったこと、誰かが出たこと、
そして電話したら同じ様に声が流れたことを無我夢中で説明したら、S曰く、
「まあ、落ち着けよ」とポツリと言い、
その後は俺が冷静になるまで付き合ってくれた。
しかし、恐怖は未だ続いた。

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俺  「なぁ、Sよ。お前はどういうことだと思う?
俺は最初、Hの母親があ プッ やしいとおもってたんだけ プッ ど、
どうも プッ ……やばい。キャッチが入った」
しかし、俺は怖くて誰からか見れない。
S  「おい、Q(俺)。無視しろ。俺と話しとけ」
と彼が言うので、そのまま話を続けることに。
ああ、携帯を持った手から汗が吹き出てくる。
なんだか、この耳下にある携帯が凄く異質なモノに感じて、今すぐ投げ出したい。

プッ プッ とキャッチホンを知らせる音はしばらく続いていたが、
数秒後に音が止んだ。
直ぐに携帯を自分から離したかった俺は、Sに断りをいれ、
電話を切り投げて部屋のテレビをつけ、バラエティー番組を見続けていた。

結局、眠れずに朝まで起きてた俺は、会社に行く気になれなかったので、
上司に電話しようと携帯を取ると着信履歴14件。
全てHの携帯から。
最後の一件には留守電が入っていた。
朝になって明るくなったためか、
少し強気になってきていた俺はそれを聞いてみることに。
「お前じゃないかあ。お前かあ?
ははははははははははははははははははははははははは……」
一気に寒気が来た。
この笑い方が彼の笑い方にそっくりだったから……

直ぐに俺は故郷に住むSに連絡し、Hの家に行って欲しいというと、
他の友人とG(高校の同級生の友人)ともう一人の友人も一緒に行って
確認してくれるとのことだったので、お願いをして連絡を待った。
そして、夕方の4時ごろに俺の携帯が鳴った。

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Sの話をまとめると、
昼過ぎにSとGとM(高校のSの部活の後輩)は
Hが元々住んでいた家を訪ねるも、誰もでない。
そこでMがHの大学時代の友人と知り合いだったということで、連絡を取り、
彼が別居して住んでいた母親の家の住所(同じく地元)を聞きだせたので、
さっそく向かうことに。
しかし、母親の家の住所にあるのは、
蔦がグルグル巻きになった二階建ての家。
中古住宅とはいえ、買ってまだ10年も経って無いはずだが、
ガラスが割れている窓があったりと手入れが全くされていないせいか、
まるで廃屋の様。
人が住んでる様子には見えなかったらしい。

Sが何度かチャイムを押すも、音は出てない様子だったので、
玄関を何度か叩き、高校時代の呼び方で、
「Hのおばちゃーん、俺、友だちのSですー。居ませんかー?」
と呼びかけるも出てこない。
ダメかと思い、帰ろうとした瞬間にSの携帯が鳴った。
着信はHから。
かなり恐怖を感じたらしく逃げようとした瞬間、
一階の割れている窓から目が見えた。
こちらをじっと視ている様だ。
SとGはその視線の怖さから逃げようとするも、
足がすくんで動けなかったらしい。
しかし、霊などに全く恐怖を感じないというM(頼もしい)は動じず、
「居るなら出てきてください。警察よびますよ。これは犯罪ですよ」
と言うと、視ていた人らしきモノが奥に引っ込んだ。
すると、Sの携帯に再度電話が鳴った。
ここでMは、Sにしか電話して来ないのは、
窓にいたモノがSの呼びかけで彼の名前しか確認できなかったのではないかと思い、
玄関のドアを開けて(鍵は開いてたらしい)
「おい! いい加減に出て来い! H先輩に対しても侮辱になるだろうがっ!!」
と叫んだらしい。
すると、奥から携帯を持ったHが出てきた。
流石にMも驚いたとのこと。

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彼は狂った様に「お前らが大事なHを殺したんだっ!!」と叫んで殴りかかるも、
Gが直ぐに取り押さえると、縋る様に抱きつき、泣きはじめた。
しばらくすると、憑き物が取れたかの様に落ち着いた彼は、
『自分はHの弟です」と言った。
なるほど、彼によく似ている。

彼の弟に話を聞いたところ、
あれからHの母親は彼が死んだことを受け入れられず、
携帯は解約しないでお金を払い続けていたらしい。
Hは自殺する際、遺書の代わりにmp3レコーダーに声を残しており、
それを母親が見つけ、何回も繰り返し聞いていたとのこと。
それまではちょくちょく、母の様子伺いでこの家に訪ねていたが、
何も食べず、仕事にもいかずに、
ただ兄の声を繰り返し聞く母の姿に何故か惹かれ、
学校から真っ先にきては、門限までここで傍観する毎日だったという。
そして一週間前、完全に気が狂ってしまったのか、いつもの様に来てみると、
兄が死んだ部屋で同じ様に自殺している母の姿が。
その足下には遺書があり、
”Hは誰かを恨んで死んでいった。それを見つけれなかったのが悔しい"
と書かれていたのを見て、
何故か、自分が母の代わりにみつけなくてはと、mp3からその音源をとり、
携帯の留守電のヴォイスに変え、全員に電話をかけるつもりだったとのこと。
その後、俺たちはHと仲が良い友だち同士だったし、
決して彼を陥れる様なことはいていない。
むしろ、連絡が途絶え、疎遠になっても気になっていたし、
彼が亡くなって本当に悲しいと弟に伝え、和解して帰宅したとのこと。

その夜、俺はSと電話で話した。
俺  「なぁ、Sよ。お前はどう思う?
俺はHの留守電聞いた時は、かなりヤバい感じだったから、
ただ怖いの一点張りだったけど。
よくよく考えてみると、なんか俺たちに向けたモノじゃないように思えるんだが」
S  「ああ、俺も思ったよ。
それにしてもHの母ちゃんの彼に対する執着ってなんだかさ、異常だよな」
俺  「そういえば、
高校の時に離婚して母親に出てってほしいみたいなこといってたけど、
結局一緒に住んでたんだよな……って、あっ」
S  「うん? どうした?」
俺  「……いや、取りあえず、解決したからもうよそう。
なぁ、俺、来月そっちに帰るからさ、みんなでHの墓参りしようよ。
その後ぱあ〜っと朝までやってさ、奴の話で盛り上がるってのはどうだろ。
Hの弟も誘ってさ」
S  「いいね〜、やろう! 彼にとっても良い弔いにもなるしな! って、そうだ。
話は戻るけどさ……」
俺  「……なんだよ。もう解決したじゃん」
S  「ああ、そんなんだが、気になることがあってさ。
Gたちとあの家に行った時に割れた窓から覗く目の話をしただろ?
でもHの弟は俺たちが家に入るまで二階にいたって……」


Stephen James:
by Fernando Gómez | Devil Inside/Joseph Sinclair | Bedtime Stories
http://homotography.blogspot.jp/

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高校生から今にかけて俺の周りをウロチョロする謎の同級生がいる。
高1の時に言われたのが一番最初。
それは夏休み明け直後の日のこと。
いきなりクラスメートAに、「イトウって知ってる?」と聞かれた。
俺 「イトウ? 知らないなぁ」
A  「何言ってるんだよ、お前と同級生だろ? 地元の友だちだろ?」
俺 「……いや、知らんし」

数日後、同じクラスメートA曰く、
A  「やっぱりイトウって知ってるだろ? アイツ、お前と仲よかったらしいぞ」
俺 「だから知らないって……」
A  「しらばっくれるなよ!」
俺 「はぁ? そんな奴いないつぅの!」
Aはそんな俺に薄情だといい、
俺は俺で知らない奴のことをしつこく聞いてくるもんだから、
なんかしゃくに触って喧嘩へと発展した。
まぁ若い頃だから血の気は多いとしても、Aはキレた感じが尋常でなかった。
家に帰り、卒業アルバムを小学校の頃から調べたけど、
やっぱり "イトウ" なんていなかった。

結局、Aとはそれ以来、口を聞くことはなくなり、いつの間にか彼は転校した。
妙なわだかまりが残ったけど、しばらくすると俺も "イトウ" の名を忘れてた。

それから学年が変わって高2になった頃、またイトウの名を耳にすることに。
今度は部活が一緒だった隣のクラスのB。
B  「なぁ、イトウって知ってる? お前と同じ中学なんだろ?」
俺 「いや、知らないなぁ」
B  「だってさ、中学の頃、お前と同じ部活で3年間一緒だったっていってたぞ」
俺 「はぁ? ちょっとどういう知り合いなのか詳しく教えてくれよ」

久々にその名前を聞いていやなことを思いだしたけど、
正体が知りたくて詳しく聞いてみた。
B  「女だよ、背の低いさ。友だちの友だちなんだよね。
何人かとカラオケ行った時にいてさ、彼女、ノリのいい奴だったぞ」
俺「いや… 知らない… 女ならなおさら、知らない….」
B  「マジ? 何なら今度カラオケ行こうよ。そん時連れてきてやるよ。
本当にイトウ、お前のこと詳しいから……」
なんだか俺、怖くなったよ。
本当にどんなに記憶をたどっても知らない奴なんだから。
割と聞く名字だけど、"イトウ" なんて同級生は一人もいない。

それから数日後、Bが俺に声をかけてきた。
B  「お前に会わせようとしたイトウなんだけど、いなくなったらしい」
俺 「え? なんで?」
B  「わからん。突然、家を捨てて夜逃げみたいな感じだったって……」
俺 「はぁ……」

何年かして大学の夏休み、実家に戻った俺は地元の友だち2人と会った時のこと。
そこで久々にあの名字を耳にすることに。
地元の友だちC曰く、「なぁ、イトウって同級生いたっけ?」
俺 「いない! ってか、お前も知ってるとか聞かれるの?」
地元の友だちD 「ええっ、お前もか?!!」

てな感じで、ちょっと地元から離れたそれぞれが違う高校に通った俺たちは、
"イトウ" という奴が俺らの知り合いだということになっている話で盛り上がることに。
なにはともあれ、俺だけじゃなかったということだ。

地元の友だちC 「しかし、怖いな…… マジ、イトウって誰だよ?」
俺 「俺が聞きてぇよ!!」

その後の中学の同窓会でそのことをみんなに聞いたが誰も知らなかった。ただ、
連絡がつかなかった人の中で "イトウ" という名字になった奴はいたかもしれないが、
それも確認できたわけじゃなかった。

それから半年くらいして、今度は幼馴染の従姉妹Eから電話があった。
「突然の電話で悪いんだけどさ、ちょっと気になったことがあってね。
なんでも、中学の時にあなたと同じ部活で仲の良かった女の子で、
イトウっていう人のこと、知ってる?」
ぞっとしつつも、俺は知らないと答えた。
従姉妹E 「……そうだよね、イトウなんて子、いないよね?……」
俺 「いない……」

それから数年後の大学卒業間近なある日、とあるバイト先にて、
違う高校で大学だけど同郷のバイト仲間Fと休憩中に雑談していた時のこと。
「ところで、イトウって知ってる?」と聞かれて、
俺はその場に倒れそうになった。
俺 「もしかして背の低い女の子で俺と部活が同じの?」
バイト仲間F 「そうそう! やっぱり知り合いなんだ〜」
俺 「……その子がどうしたん? もしかして彼女とは友だち?
今も連絡とってるの?」
バイト仲間F 「高校の時の部活の知り合いでね。
友だちってほど仲良かったわけじゃないんだけど、連絡はちょくちょく取ってるよ」
Fは俺と同じ年だから高校の時の知り合いなのはわかったが、
確かイトウはその頃、行方不明だったとかBが言っていたような……
俺はとっさに「今さ! そいつと連絡つかない?」と聞くと、あっさり
F  「うん、つくよ! イトウもさ、
今度、飲みたいって言ってたからちょうどいいかも」
すると、すかさずFは携帯を取り出した。

携帯電話の先からイトウの声が聞こえる。
F  「もしもしぃ」
F  「今さ、……うんうん」
かすかにだけどイトウの声が聞こえる。
実在する人物なんだ! なんだか妙な気分だ。
F  「あっ」
俺 「どうした!?」
F  「あらら、イトウさ、なんか具合悪いからって電話切られちゃった……」
俺 「……そうか、じゃあ、また今度頼むよ」

次の日、バイトにいくと、バイト仲間Fの態度が急変した。
俺が何を話しかけてもスルー。
いつしか、軽いいじめみたいな雰囲気になってた。
なぜかバイト仲間全員からハブられる俺。
そしてある日の仕事帰り、店長に呼び出されてクビを言い渡された。
俺は文句は言ったが、「悪いがもう来ないでくれ」の一点張り。
一週間後、そのバイト先の店はなくなっていた。
結局、 "イトウ" との接点はなくなった。

それから何年かして今に至るのだが、
最初に俺にイトウの話をふったクラスメートAは事故で亡くなり、
次の部活仲間Bもその後、高校を退学してから行方不明、
中学時代の地元の友だち2人とも疎遠になった。
地元で彼らのことを聞くと悪い噂ばかりで、今はどうなったか完全にわからない。
従姉妹もその後、精神的にやんで今は話せる状態じゃない。
結局、イトウのことに関してはわからずじまい。
なんだったのだろうか?

……なんて思ってたら先週、彼女が「イトウって知ってる?」と聞いてきた。
イトウは俺の周りをウロチョロしてるのかもしれない 。




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単館系映画鑑賞、音楽や絵画鑑賞、そして絵を描くことと...
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