ポテチの水彩絵の世界にようこそ!
気分でコメントや画像とか、恐いのや面白い毒ある話とか、
現実の花の色と違ったりとか、妙な感じです。
親父の実家は自宅から車で2時間弱くらいのところにある農家なんだけど、
俺は何かそういった雰囲気が好きで、高校になってバイクに乗るようになると、
夏休みとか冬休みなんかにはよく1人で遊びに行ってた。
行けば、祖父と祖母も「よく来てくれた」と喜んで迎えてくれたしね。
でも、最後に行ったのが高校3年に進級する直前だから、
もう10年以上も行っていないことになる。
決して「行かなかった」んじゃなくて「行けなかった」んだけど、
その訳はこんなことだ。
春休みに入ったばかりのこと、いい天気に誘われて親父の実家にバイクで行った。
まだ寒かったけど、広縁はぽかぽかと気持ちよく、そこでしばらく寛いでいた。
そうしたら、「ぽぽ、ぽぽっぽ、ぽ、ぽっ…」と変な音が聞こえてきた。
機械的な音じゃなくて、人が発してるような感じ。
それも濁音とも半濁音とも、どちらにも取れるような感じだった。
何だろうと思っていると、庭の生垣の上に帽子があるのを見つけた。
生垣の上に置いてあったわけじゃない。
帽子はそのままスーッと横に移動し、垣根の切れ目まで来ると、1人の女性が見えた。
まあ、帽子はその彼女が被っていたわけだ。
彼女は白っぽいワンピースを着ていた。
しかし、生垣の高さは2mくらいある。
その生垣から頭を出せるってどれだけ背の高い女なんだ.....と驚いていると、
彼女はまた移動して視界から消えた。
帽子も消えていた。
いつの間にか「ぽぽぽ」という音も無くなっていた。
その時は、背が高い女が超厚底のブーツを履いていたか、
踵の高い靴を履いた背の高い男が女装したかくらいにしか思わなかった。
親父の実家に到着した後、居間でお茶を飲みながら、
さっきのことを祖父と祖母に何気なく話した。
「さっき、大きな女の人を見たよ。男が女装してたのかなぁ」
そしたら別に「へぇ〜」とか「あらあら」くらいしか言わなかったけど、
「垣根より背が高かった。帽子を被っていて『ぽぽぽ』とか変な声出してたし」
と言ったとたん、2人の動きが止ったんだよね。
いや、本当にピタリっと止った。
その後、「いつ見た」「どこで見た」「垣根よりどのくらい高かった」と、
祖父が怒ったような顔付きで質問を浴びせてきた。
彼の気迫に押されながらもそれに答えると、
急に黙り込んで廊下にある電話まで行き、何処かに電話をかけだした。
引き戸が閉じられていたため、何を話しているのかは良く分からない。
祖母は心なしか震えているように見えた。
祖父は電話を終えたのか、戻ってくると、
「今日は泊まっていけ。いや、今日は帰すわけには行かなくなった」と言う。
.....俺は何か、とんでもなく悪いことをしてしまったんだろうか。
と必死に考えたが、何も思い当たらない。
あの女だって、自分から見に行ったわけじゃなく、あちらから現れたわけだし....
すると、祖父は「ばあさん、後頼む。俺はKさんを迎えに行って来る」と言い残し、
軽トラックで何処かに出かけて行ってしまった。
祖母に恐る恐る尋ねてみると、彼女曰く、
「 "八尺様"に魅入られてしまったようだよ。ジイちゃんが何とかしてくれる。
お前は何にも心配しなくていいから」と震えた声で言った。
それから祖母は、彼が戻って来るまでぽつりぽつりと話してくれた。
この辺りには "八尺様" という厄介なモノがいるという。
"八尺様" は大きな女の姿をしていて、名前の通り八尺(約2.4m)ほどの背丈があり、
「ぼぼぼぼ....」と男の様な声で変な笑い方をする。
人によって、喪服を着た若い女だったり、留袖の老婆だったり、野良着姿の年増だったりと
見え方が違うが、女性で異常に背が高いことと頭に何か載せていること、
それに気味悪い笑い声は共通しているそうだ。
昔、旅人に憑いて来たという噂もあるが、定かではない。
この地区(今は○市の一部であるが、昔は×村、今で言う「大字」にあたる区分)に、
祀られた地蔵様によって封印されていて、よその土地へは行くことが無い。
そのモノ に魅入られると、数日のうちに取り殺されてしまう。
そして、最後に "八尺様" の被害が出たのは15年ほど前とのこと。
これは後から聞いたことですが、地蔵によって封印されているというのは、
"八尺様" がよそへ移動できる道というのは理由は分からないが限られていて、
その道の村境に地蔵を祀ったそうだ。
そのモノの移動を防ぐ為に、それは東西南北の境界に全部で4ヶ所あるらしい。
もっとも、何でそんなものを留めておくことになったかというと、
周辺の村と何らかの協定があったらしい。
例えば水利権を優先するとか。
そのモノの被害は数年から十数年に1度くらいなので、
昔の人はそこそこ有利な協定を結べれば良しと思ったのだろうか。
そんなことを聞いても、全然リアルに思えなかった。まぁ、当然だよね。
そのうち、祖父がある1人の老婆を連れて戻ってきた。
「えらいことになったのう。今はこれを持ってなさい」
Kさんという老婆はそう言って、お札をくれた。
それから、Kさんは祖父と一緒に2階へ上がり、何やらやっていた。
祖母はそのまま俺と一緒にいて、トイレに行く時でも付いてきて、
トイレのドアを完全に閉めさせてくれないくらい、俺の存在を監視していた。
ここにきて初めて俺は「なんだかヤバイんじゃ....」と思うようになってきた。
しばらくして俺は2階に上がらされ、ある部屋に通された。
そこは窓が全部新聞紙で目張りされ、その上にお札が貼られており、
四隅には盛塩が置かれていた。
また、木でできた箱状のものがあり(祭壇などと呼べるものではない)、
その上に小さな仏像が乗っていた。
あと、どこから持ってきたのか「おまる」が2つも用意されていた。
ってゆうか、これで用を済ませろってことか.....
「もうすぐ日が暮れる。いいか、明日の朝までここから出てはいかん。
俺もバアさんもな、お前を呼ぶこともなければ、お前に話しかけることもない。
そうだな、明日朝の7時になるまでは絶対ここから出るな。
7時になったらお前から出ろ。家には連絡しておくから....」
と、祖父が真顔で言うものだから、俺は黙って頷く以外なかった。
続いてKさんからも、「今言われたことは良く守りなさい。お札も肌身離さずな。
何かが起きたら、仏様の前でお願いしなさい」と言われた。
テレビは見てもいいと言われていたので点けたが、何だか上の空で気も紛れない。
部屋に閉じ込められる時に、祖母がくれたおにぎりやお菓子も食べる気も起きず、
俺は布団に包まってひたすら震えていた。
そんな状態でもいつの間にか眠っていた様で、たまたま目が覚めた時には、
付けっぱなしにしていたテレビにはある深夜番組が映っていて、
自分の時計を見たら、午前1時過ぎだった。
なんか嫌な時間に起きたなぁなんて思っていると、
窓ガラスをコツコツと叩く音が聞こえてきた。
それは、小石なんかをぶつけているんじゃなくて、手で軽く叩く様な音だったと思う。
風のせいでそんな音がでているのか、もしかして誰かが本当に叩いているのか、
その時の俺には判断がつかなかったが、必死に「これは風のせい」と思い込もうとした。
妙な戦慄に満ちた緊張感。
とりあえず、落ち着こうと俺はお茶を一口飲んでみるも、やっぱり怖くて、
テレビの音を大きくしてみた。
突然、祖父の声が聞こえてきた。
「おーい、大丈夫か。怖けりゃ無理せんでいいぞ」
俺は思わずドアに近づいたが、彼の言葉をすぐに思い出した。
すると、また声がする。
「どうした、こっちに来てもええぞ」
....祖父の声に限りなく似ているけど、あれは祖父の声じゃない。
どうしてか分からんけど、そんな気がして、
そしてそう思ったと同時に全身に鳥肌が立った。
ふと、隅の盛り塩を見ると、それは上の方が黒く変色していた。
一目散に俺は仏像の前に座ると、Kさんのお札を握り締め、
「助けてください」と必死にお祈りをはじめた。
その時だ。
「ぽぽっぽ、ぽ、ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ................」
あの声が聞こえ、窓ガラスがトントン、トントンと鳴り出した。
そこまであのモノの背が高くないことは分かっていたも、
それが下から手を伸ばして窓ガラスを叩いている光景が頭の中に、
しきりに浮かんで仕方が無かった。
もう俺のできることは、仏像に祈ることだけだった。
とてつもなく長い一夜に感じたが、それでも朝は来るもので、
付けっぱなしのテレビがいつの間にか朝のニュースをやっていた。
画面隅に表示される時間は確か午前7時13分となっていた。
ガラスを叩く音も、あの声も気づかないうちに止んでいる。
どうやら俺は眠ってしまったか、気を失ってしまったかしていたらしい。
しかし、不吉にも盛り塩はさらに黒く変色していた。
念のため、自分の時計を見たところ、テレビ画面の表示と同じ時刻だったので、
恐る恐るドアを開けると、そこには心配そうな顔をした祖母とKさんがいた。
祖母が、よかった、よかったと涙を流してくれた。
下に降りると、俺の親父も来ていた。
すると祖父が外から顔を出し、「早く車に乗れ」と俺を促しす。
庭に出てみると、何処から持ってきたのか、ワンボックスのバンが1台あった。
そして、庭に何人かの男たちがいた。
ワンボックスは9人乗りで、俺は中列の真ん中に座らされ、助手席にKさんが座り、
庭にいた男たちもすべて乗り込んだ。
全部で九人が乗り込んでおり、俺は八方を囲まれた形になっていた。
「お前、大変なことになったな。
チラチラと気になるかもしれないが、これからは目を閉じて下を向いていろ。
俺たちには何も見えんが、お前には見えてしまうだろうからな。
俺たちがいいと言うまでは我慢して、絶対に目を開けるなよっ!」
と、俺の右隣に座った50歳くらいの厳ついおじさんがそう言った。
祖父の運転する別の軽トラが先頭、次が自分が乗っているバン、
後に親父が運転する乗用車という車列で走り出した。
おそらく、時速20キロも出ていなかったんじゃあるまいか。
車列はかなりゆっくりとしたスピードで進んでいる様だった。
間もなくKさんが、「ここがふんばりどころだ」と俺に呟くと、
何やら念仏を唱え始めた。
まただ。
「ぽぽっぽ、ぽ、ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ................」
あの声が聞こえてきた。
俺はKさんからもらったお札を握り締め、言われたとおりに目を閉じ、
大人しく下を向いていたが、
何故かふいに薄目をあけて外を少しだけ見てしまった。
目に入ったのは白っぽいワンピース。それが車に合わせ移動していた。
あの大股で付いてきているのか。
頭は窓の外にあって見えない。
しかし、車内を覗き込もうとしたのか、そのモノは頭を下げる仕草を始めた。
俺は恐怖のあまり、無意識に「ヒッ!」と声を出す。
すると「見るな」と隣が声を荒げる。
慌てて目をぎゅっと瞑り、さらに強くお札を握り締めた。
コツ、コツ、コツ。
ガラスを叩く音が始まる。
周りに乗っている者たちも短く「エッ」とか「ンン」とか声を出す。
そのモノは見えなくても、声は聞こえなくても、叩く音は聞こえてしまう様だ。
Kさんの念仏に力が入る。
やがて、そのモノの声と音が途切れたと思った時、
Kさんが「うまく抜けた!」と声をあげた。
それまで黙っていた周りを囲む男たちも「よかったなあ」と安堵の声を出した。
やがて車は道の広い所で止り、俺は親父の車に移された。
祖父と親父が他の男たちに頭を下げている時、
Kさんが「お札を見せてみろ」と、俺に近寄ってきた。
無意識にまだ握り締めていたお札を見ると、全体が黒っぽくなっていた。
するとKさん曰く、
「....もう大丈夫だと思うがな、念のためしばらくの間はこれを持っていなさい」
と新しいお札をくれた。
その後、俺は親父と2人で自宅へ戻った。
バイクは後日、祖父と近所の人が届けてくれた。
親父も "八尺様" のことは知っていた様で、
子供の頃、友達のある1人が魅入られて命を落としたということを話してくれた。
あと、魅入られたために他の土地に移った人も知っているという。
バンに乗った男たちは、全て祖父の一族に関係がある人で、
つまりは極々薄いながらも、自分と血縁関係にある人たちなのだそうだ。
前を走った祖父、後ろを走った親父も当然血の繋がりはあるわけで、
少しでも俺から "八尺様" の目を誤魔化そうと、あの様なことをしたという。
親父の兄弟(伯父)は一晩でこちらに来られなかったため、
血縁は薄くてもすぐに集まる人に来てもらったそうだ。
それでも流石に7人もの男たちが今の今、というわけにはいかなく、
また、夜より昼の方が安全と思われたため、俺は一晩部屋に閉じ込められたとのこと。
道中、最悪なら祖父か親父が身代わりになる覚悟だったとか.....(感謝します)
そして、もうあそこには行かないようにと、強く、念を押された。
家に戻ってから、祖父と電話で話した時、
あの夜、俺に声をかけたかと聞いてみたところ、そんなことはしていないと断言された。
"八尺様" の被害には成人前の若い人間、それも子供が遭うことが多いという。
まだ子供や若年の人間が極度の不安な状態にある時、
身内の声であの様なことを言われれば、つい心を許してしまうのだろう。
やっぱりあれは....と思ったら、改めて背筋が寒くなった。
それから10年経って、あのことも忘れがちになった時、
洒落にならない後日談ができてしまった。
「あのモノをを封じているお地蔵様が誰かに壊されてしまった。
それもお前の家に通じる道のものがな....」と、祖母から電話があった。
ちなみに、祖父は2年前に亡くなっていて、
当然ながら俺は葬式にも行かせてもらえなかった。
祖父も起き上がれなくなってからは絶対来させるなと言っていたという。
今となっては迷信だろうと自分自身に言い聞かせつつも、かなり心配な俺がいる。
あの奇妙な声が聞こえてきたらと思うと.....
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光輝く少女は道を歩いてる。
知らない道を歩いてる。
途中で出会った大柄な中年女性に尋ねた。
「ここは何処ですか?」
すると彼女曰く、
「....私は盛りが過ぎて少し寂しいねぇ。あの子はいつもやさしいのよ」
光輝く少女は道を歩いてる。
夕暮れの道を歩いてる。
途中で出会った見える角度によっては痩せても太っても見える青年に尋ねた。
「うちに帰りたいけど道がわからないの」
すると彼曰く、
「....僕はあの子のまわりをクルクル回るだけで、決して近づくことは出来ないんだよ」
光輝く少女は道を歩いてる。
まっすぐな道を歩いてる。
途中で出会ったスキンヘッドの老人に尋ねた。
「この先には何があるの?」
すると老人曰く、「....悲しみの形は人それぞれ。あの子がそれに気付くといいけどなぁ」
光がより増して輝く少女は道を歩いてる。
少女はこの道を知っている。
少女は涙を流してつぶやいた。
「そうだったんだ.....」
ある数学の教授がいた。
彼は家に帰る途中に1枚のコインを拾った。
片面には三角形の模様、もう片面には星の模様が彫ってあった。
彼は "確率" について研究をしていたので、
このコインの「裏」の出る確率を調べようとした。
しかし、どちらが「裏」かわからない。
翌日、教授はいろんな人にこのコインのことを尋ねてみた。
しかし、皆見たことすらないという。
その日から、常にコインを持ち歩き、人に会えば、その度コインについて訊いていた。
そして暇があればコインを投げて、出た面をチェックしていった。
それからどれくらいの月日が経ち、どれくらい教授はコインを投げただろうか。
ついに「三角形」の出る確率と「星」の出る確率が割りだされた。
三角:25%
星:75%
信頼できる確率である。
しかし、彼は「裏」の出る確率が知りたかった。
結局どちらが「裏」かわからないまま、教授は死んだ。
僕の家族は両親と兄1人と弟2人、そして僕とで6人家族です。
両親は僕たちのために毎日寝る間も惜しんで仕事をしてくれています。
ある日、両親が仕事帰りに殺されました。
場所は違うけど「撲殺」という同じ殺され方でした。
母の死体の横には僕たちの晩ご飯が転がっていました。
帰ってそれを食べようとしたけど、あまりの悲しさに僕だけは食べれませんでした。
次の日、弟2人が泡を噴いて死んでいました。
なぜ僕の家族が殺されるのか考えてもわからない。
わかるのは、犯人が大家だということだ。
いずれ、兄も僕も見つかり次第、殺されてしまうのだろう。
8月の終わり頃、アパート暮らしの大学生が、腐乱死体の状態で発見されました。
彼の兄・紳助さんが呼ばれ、身元確認に続いて、留守電のメッセージが再生されました。
6月14日 AM 02:05 母親から思い出話、途中で切れる。
6月16日 PM 16:45 友人から旅行の誘い。
6月21日 AM 02:05 父親から祖父が会いたがってる旨。
7月25日 PM 12:45 友人から大学に顔を出せと。
8月01日 AM 02:05 母親から紳助に連絡しろと。
そこでテープが終わり。
「ご両親からの電話はいつも深夜2時過ぎですな」と刑事がつぶやくと、
紳助さんがうなずいてから言いました。
「両親は、僕らが小さい頃に死にました....」
仕事帰りに、ある銭湯に行った。
一通り風呂を楽しんで身体を洗ってから最後あがる前にサウナで一汗かくのが俺の日課。
いつもの様に俺はサウナに入っていると、1分くらいで男が1人入って来た。
よし、勝負だ。コイツが出るまで俺は出ない。下らないと言われればそれまでだが、
これも日課だ。
10分経過。その男は軽く100キロはありそうな太っちょだった。
15分経過。滝のような汗を流してるくせに、頑張るじゃないか、デブめ。
18分経過。ついにヤツが動いた。
今にも倒れそうな程フラフラになりながらサウナを出ていく。
やったー、俺の勝ちだ!!
俺はサウナルームの真ん中でガッツポーズをとった。
目を覚ますと私は見慣れない部屋にいた。
どこかで見た様な中年の親父が覗きこんでくる。
ああ、番台にいた親父だ。
すると彼は言った。
「私が点検に行ったら君がサウナ室のドアにもたれかかるようにして失神していた」
どうやら熱中症を起こしたらしい。
少し頑張り過ぎたか。
親父はやれやれとばかりに、
「君を運ぶのはまったく骨が折れたよ。今度からは気を付けてくれよ」
私は親父にお礼を言って帰った。
さて、ビールでも飲んで寝るとしよう。
最近、部屋の様子が変なの。
何が変かって、具体的に分からないけど....
例えば、TVのリモコンの位置とか、冷蔵庫の中身とか。
ほんとに、「あれ?」って思うくらいだけど、なんか妙な感じで....
彼氏に相談しても、気のせいだって言うし。
もしかしたら、前に住んでいた人かなって思ったら、
なんだか怖くなって、昨日そのことを大家さんに言ってみたの。
大家さんは、はっとした表情になって直ぐにその人に連絡してた。
「合鍵は作られましたか?」って。
大家さん曰く、「抑止にはなったと思うけど、心配なら鍵を新しくしようか」って。
怖いので、早速そうしてもらったわ。
これできっと安心ね。
署内にて刑事2人の会話。
A「このところ、拉致監禁事件が酷い物になってきていますね。
しかし今回の被害者は無事生きて帰ってこれてよかった」
B「そうだな。かなりの虐待を受けていた様だし、心の傷の治療も時間がかかるだろうが、
同じところで監禁されていた他の被害者より生きているだけマシってやつだ」
A「それにしても、加害者の家から彼女を発見した現場までは
かなりの距離がありますね。やっぱり、逃げたい一心で必死に走ったんでしょうね」
B「ああ、彼女のおかげで犯人も捕まったし、他の被害者も浮かばれるだろう」
A「彼女はこれからですね」
B「逃げられない様に両足を切断されていたからな。
治療が終わったらまずは車椅子に慣れることからだ。....その後からだな」
仕事から帰り、風呂上がりのビールを飲んでいるこの時間、
今日も上の階の子供達が騒いでいる。
1年前に引っ越してきてから毎日だ。
下の階に響くほどの聞こえる声と足音は尋常じゃない。
全く、この親はどういう躾をしているんだ。
何度も注意しに行こうとしたが、妻がその度に俺を止めた。
「あなた。いつか私たちにちゃんと子供ができたら、きっとあの子たち、
あなたに似て元気一杯よ。世の中お互い様だわ」と、先月結婚したばかりの妻。
彼女は俺が大学時代の頃から付き合いはじめ、8年目にして結婚。
いつも人のことを気づかい、とても優しい自慢の妻だ。
かく言う俺も最近昇進が決まった。
それらを機に買ったこのマンション。
妻がどうしてもここが良いと言うのだ。
新築で広さは4LDKで最上階。
見晴らしも良く、子供が生まれても十分だ。
実はこのマンション、3年前の建築開始当初から、俺も目をつけていた。
特快の停まる駅徒歩3分の上、近くには病院、
そして公園やショッピングモールがある。
通勤にしろ、妻の買い物にしろ、
それから子供を育てる環境としてはうってつけったわけだ。
建築会社が願掛けを重視するのか、
何度も神主を呼んでお祓いの儀式みたいなことをしているのを見たことがある。
まぁ、それだけしっかりした建築会社なら安心だ。
偶然の如く、このマンションの情報を妻に見せた時の尋常でないほどの嬉しそうな顔.....
彼女がこんなにも喜ぶとは思わなかった。
上の階の住人の件以外平和に暮らせている今、
俺はこのマンションにとても感謝している。
ある高校がF県に修学旅行に行ったそうです。
A君は友達数人で作った班で自由行動を楽しんでいました。
しかし、A君は慣れない土地なのに好奇心故についつい寄り道してしまったため、
同じ班のB君と一緒にみんなから逸れてしまいました。
迷ううちにどんどん繁華街から離れてしまって、
今いるところが何処なのか分からない。
このまま途方にくれていても仕方がないので、
A君とB君は丁度目に入った古い感じの家で道を聞くことにしました。
中から出てきたのは腰の曲がったおばあさんでした。
おばあさんは2人に、家に上がってお茶でも飲んでいきなさいと言ったので、
疲れていた2人は迷うことなくそのうちにお邪魔することにしました。
その家はかなり古い感じで、壁のところどころがすすけた感じでした。
おばあさんは、2人を居間に座らせ、なぜか「目をそらしちゃいけないよ」と言うと
お茶を入れに居間を出て行ってしまいました。
2人が部屋の中を物珍しそうに見まわしていると、
部屋には不似合いな大きな鏡が目に入りました。
A君B君はなぜか2人ともその鏡から目が離せなくなっていました。
2人がその鏡をじっと見詰めていると人が朧げに映りはじめました。
明らかにその人の顔は、鏡を見ているA君、B君の顔ではありませんでした。
その映った顔は傷だらけで、血を流しています。
髪型も服も現代の人とは違いました。
その格好はまさに、昨日ある観光地での説明を受けた白虎隊のものでした。
2人はなぜかその鏡から目をそむける事が出来ませんでした。
鏡に映る人の顔はどんどん変わっていきます。
そして変わるたびに気持ちの悪いものとなっていきます。
初めはまだ顔に怪我した程度だったものが、
顔が半分つぶれた状態になってしまっていたり、
目に矢が刺さった状態になってしまっている顔などになっていきました。
ついにA君B君は悲鳴をあげて顔をそむけてしまいました。
するといつのまにか入ってきていたのか、
おばあさんが2人をじっと見つめて一言、
「そらしたね」と言いました。
2人はもう、怖くて怖くてその家を飛び出して、逃げました。
どこをどう走ったのか、2人が気づくと泊まっている旅館に着いていました。
2人は帰ってこれたことにほっとしていました。
何より次の日には修学旅行も終るので、
この土地から離れられることが嬉しかったのです。
次の日、2人は家に無事帰ることもできて、
もう昨日あった不気味なことなど忘れていました。
そしてあの日から1週間後の朝。
2人はそれぞれの自宅で、
布団の中で血だらけになって死んでいるのが見つかりました。
顔はぐちゃぐちゃにつぶれていて、
身体の傷はなぜか刀で傷つけられたものだったそうです。
Antoine Caron: Allégorie. Les funérailles de l'Amour
今から10年程前の話です。
当時のある日、高校で美術の教師をしていた姉がアトリエ用にと、
2DKのボロボロなアパートを借りました。
その部屋で暮らすわけではなく、絵を描くためだけに借りた部屋。
「ちょっと、姉さん! せっかく借りてるのに住まないなんてもったいない!」
そう思った私は姉に頼み込んで、その部屋で1人暮らしをさせてもらうことに。
その初日。
私はウキウキしながらアトリエの部屋に帰宅しました。
姉からくれぐれも戸締りに気をつけるようにと言われていたため、
帰ってすぐに玄関に鍵とチェーンをかけました。
その後、夕飯を作ったり、本を読んだりして楽しく1人の時間は過ぎていきます。
気付くともう夜も更けていたため、もう一度戸締りをチェック、
それからガスの元栓もしっかり締めて、眠りにつきました。
しばらくして、多分、午前2時過ぎごろだったと思います。
玄関のドアがガチャっと開く音が聞こえました。
どうやら姉が絵を描きに来たらしい。
こんな真夜中に頑張るなぁと、ウトウトしながら思っていると、
私が寝ている隣の部屋に入っていったみたい。
その隣は画材やらキャンバスやら置いてある部屋。
そこで、姉はブツブツ言ったりクスクス笑ったりしてる様子。
うーん、やっぱり芸術家と怪しい人って紙一重だよなぁ、と思いつつ、
いつの間にか寝てしまってました。
朝、目が覚めると姉はもう帰ったようで居ませんでした。
姉の絵に対する情熱は尊敬に値するよなぁ、と思いつつ、
私は仕事に出掛ける準備をして家を出ました。
そして玄関の鍵を閉めた時に、突然、恐怖に襲われたのでした。
それ以来、私がそのアトリエに足を踏み入れることはありませんでした。
時計を見ると昼過ぎ。さて、そろそろ出かけるか。
ああ、まだ顔洗ってなかった。
面倒くさいけど仕方が無い。
洗面所の水を出してジャバジャバ顔にかける。
洗顔料を指の上に乗せ、泡立てて顔に広げ、マッサージしながら洗う。
コポコポと排水溝に流れていく水の音が響く。
少し水流しすぎたな。そろそろ洗い落とすか。と、手探りで水を探す。
あ、あれ? どこだ? 手に水がなかなか当たらない。
泡が目に入るのをこらえながら、直接目で探す。
蛇口、蛇口....どこだ? ああ、あった。
蛇口をひねって水を出す。
水を顔にかける。....やっと洗い落とせた。
顔にタオルをあて、水気を切る。
ああ....なんか洗面所の鏡見るのが怖いな。
ヒゲまだ剃ってないけどいいや。
そのまま逃げるように家を出た。
最近、パパが早く帰ってくるから嬉しい。
最近は学校から帰ると毎日家にいる。
いっぱい遊んでもらえるの。だから、とても幸せ。
この前は、パパとママとリサので洗濯物をたたんだ。
干してあるものをたたんで、押し入れにしまったの。
とっても上手にできたんだよ。だから、今は毎日やってあげるの。
こないだ学校から帰ったら、パパもママもいない。
退屈だからまた洗濯物をたたんであげた。
でも、パパとママのズボンはまだたたんでない。
いつもと違い部屋に干してあるけど、いくら引っ張っても取れない。
ズボンにくっついてた靴下は取れたんだけど。
だからまだ部屋にぶら下がったまま。
ある家族が妻の実家に遊びに行くために田舎までのバスに乗っていた。
山のふもとあたりまできたときに、子供が「おなかへった」とだだをこね始めたので、
しょうがなく途中のバス停で降りて近くの定食屋で食事をすることにした。
食事が終わり定食屋に設置されているテレビをふと見ると、
さっきまで家族が乗っていたバスが落石事故で乗員全員死亡というニュースが流れていた。
そのニュースを見た妻は、「あのバスを降りなければよかった....」と呟いた。
それを聞いた夫は、「何を馬鹿なことを言っているんだ!」と怒鳴ったが、
すぐに「あぁ、なるほど。確かに降りなければよかった....」と妻の意図に気づく。
ある日、彼からムービー付きのメールが届く。
見てみると自殺する内容だった。
縄に首をかけ首を吊り苦しそうにもがいて彼は泡を吹きながら静かに。
そこでムービーは終了した。
プロフィール
HN:
ポテチ/ラダ
年齢:
50
性別:
男性
誕生日:
1974/04/11
職業:
会社員
趣味:
単館系映画鑑賞、音楽や絵画鑑賞、そして絵を描くことと...
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